全身全霊の羽生結弦選手の演技に圧倒！貴重映像も追加された「ドリーム・オン・アイス」特別版

史上初の1年延期を経て、17日間にわたる熱戦に幕を下ろした東京五輪。フィギュアスケートも他スポーツと同じく新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けてきたが、北京五輪を迎える新シーズンに向け着実に歩みを進めている。7月9日～11日には、その2021-22シーズンの幕開けを飾る「Dreams on Ice(ドリーム・オン・アイス) 2021」が、神奈川・KOSÉ新横浜スケートセンターで開催された。

「ドリーム・オン・アイス」は、世界選手権などの国際大会の日本代表選手や、全日本選手権、全日本ジュニア選手権などの国内大会の上位入賞者が出演するエキシビション。今年も日本を代表するトップスケーターが集結する中で、6年振りの出演となった羽生結弦選手の演技には特に高い注目が注がれた。

13歳で初出演した2008年から20歳になる2015年まで8年連続で出演し、「ドリーム・オン・アイス」の舞台で、まさに世界のトップスケーターへと駆け上がっていく過程を見せてきた羽生選手。6年という月日を経て9回目の出演となる本公演に懸ける想いは相当なもので、試合並みに体を作って臨んだことを明かしていた。演技直前にも、「今シーズンは自分の最大の夢に向かって全力で努力していきます。今日この場所に今の自分が持てるすべてのエネルギーをスケートに込めます」といった力強いメッセージを自らの声で発信。その言葉に違わず、『マスカレイド』(X JAPAN ToshI)のプログラムでは、楽曲とまるで共鳴するかのような全身全霊をかけたパフォーマンスが、まさに圧巻の一言だった。

また、シニアデビューした昨シーズン、初出場した世界選手権で2位に輝いた鍵山優真選手も出演。2種類の4回転ジャンプと若さあふれる伸びやかさが鍵山選手の魅力だが、五輪シーズンに向けさらなる飛躍が期待される中、今回は新ショートプログラム『君微笑めば』を披露。18歳ながら、持ち前の負けん気の強さで堂々たるスケーティングを見せた。

そんな鍵山選手と同様、今年の「ドリーム・オン・アイス」では新プログラムが次々に発表。例年、新シーズンの幕開けを飾る同公演は、新プログラム披露の場になることが多いのも特徴だ。世界ランキング1位の紀平梨花選手が、五輪シーズンの演目として選んだ映画『タイタニック』のフリープログラムを初披露したほか、6位に入賞した平昌五輪と2大会連続の五輪にかける坂本花織選手は、映画『グラディエーター』のショートプログラムを初お披露目した。どちらも、世界中の映画ファンの記憶に刻まれる美しく壮大なナンバーが印象的で、会場中を魅了した2人の艶技は、何度見ても見飽きることのない華麗さだ。

8月21日(土)・22日(日)には「ドリーム・オン・アイス 2021」2日目昼公演および夜公演の模様がTBSチャンネル2にて再放送されるほか、その最終日公演の模様に貴重な映像を追加した特別版が、8月29日(日)にテレビ初放送される。今回の特別版では、最終日公演での全ての演技がノーカットでオンエアされるほか、7月の生中継では映し出されることのなかった出演全スケーターの演技後インタビューや舞台裏の密着映像をはじめ、7名(羽生結弦、鍵山優真、佐藤駿、紀平梨花、坂本花織、宮原知子、樋口新葉)のトップスケーターへの独占インタビューおよび1日目公演の演技、さらに羽生選手の『マスカレイド』を様々な角度からお届けする特別企画など、ファン必見の映像がたっぷりと収録されている。

勝負の五輪シーズンを迎え、前人未到の4回転半ジャンプへの想いを語る羽生選手をはじめ、日本を代表するトップスケーターがそれぞれに持つ新シーズンへの夢や目標が垣間見えた今回の「ドリーム・オン・アイス 2021」。彼らが活躍する冬の北京五輪が今から待ち遠しい。

文＝中川菜都美

【「Dreams on Ice 2021」出演スケーター】
《男子シングル》羽生結弦、鍵山優真、田中刑事、佐藤駿、友野一希、本田ルーカス剛史、三浦佳生、三宅星南《女子シングル》紀平梨花、坂本花織、宮原知子、三原舞依、河辺愛菜、樋口新葉、横井ゆは菜、松生理乃、吉田陽菜、柴山歩《ペア》三浦璃来＆木原龍一《シンクロナイズドスケーティング》神宮アイスメッセンジャーズ

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