乃木坂46・新内眞衣が舞台で見せた新たな魅力

乃木坂46・新内眞衣
乃木坂46・新内眞衣

2021年1月14日から31日にかけて東京・紀伊國屋ホールで上演された舞台『熱海殺人事件 ラストレジェンド〜旋律のダブルスタンバイ〜』に乃木坂46の新内眞衣が出演した。『熱海殺人事件』と言えば、劇作家・つかこうへいの代表作。1973年に文学座アトリエで初演されて以来、数多く上演され、2010年につかが亡くなった後も、世代を超えて演じ継がれ、愛され続けている作品である。

つか作品初出演となった新内眞衣は、乃木坂46の2期生として2013年に加入。2期生の中の最年長(現在はグループ内でも最年長)で、"OL兼任アイドル"という珍しいスタンスで活動を開始したことでも話題となった。ユーモアがありながらも聡明さを感じさせるキャラで、グループでの活動はもちろん、ラジオでも長く活躍している。2015年3月から1年間bayfmで冠番組を担当し、2016年3月からニッポン放送で「乃木坂46 新内眞衣のオールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを3年間務めた。終了翌月の2019年4月から「乃木坂46のオールナイトニッポン」がスタートしたが、そこでも新内がメインパーソナリティを担当している。

舞台自体もこれまでに経験してきている。2014年に乃木坂46のメンバーによる舞台『16人のプリンシパル trois』をはじめ、2015年に『すべての犬は天国へ行く』、2016年に『墓場、女子高生』、2017年『あさひなぐ』、2018年『続・時をかける少女』といろんなジャンルの作品を経験し、年々その表現力もより豊かになっていった。

そんな新内が3年ぶりに挑む舞台が、紀伊國屋ホールでの『熱海殺人事件 ラストレジェンド〜旋律のダブルスタンバイ〜』。『熱海殺人事件』と紀伊國屋ホールは縁が深く、1976年の上演に始まり、2002年の阿部寛主演『熱海殺人事件 モンテカルロ・イリュージョン』など、再演を重ねてきている。このたび、"日本演劇の聖地"と呼ばれるこのホールが改修工事を行うことになり、その改修前の最終公演として『熱海殺人事件』が選ばれた。

今回は、サブタイトルに"ダブルスタンバイ"とあるように、全ての役がダブルキャストとなっており、主人公・木村伝兵衛部長刑事を味方良介と荒井敦史、ヒロイン役・婦人警官の水野朋子を新内眞衣とつかこうへいの娘である愛原実花、犯人・大山金太郎を池岡亮介と松村龍之介、熊田留吉刑事を石田明(NON STYLE)と細貝圭という個性的なキャストが揃った。

観客が圧倒されるほどのセリフ量の多さとテンポの速さも『熱海殺人事件』の大きな特徴であり、魅力となっている。初日公演直前の舞台挨拶で「『熱海殺人事件』という歴史ある戯曲を、歴史ある紀伊國屋ホールでやれることを幸せに思います。ヒロイン役は初めてで緊張していますが、全力で突っ走っていこうと思います」と意気込みを語っていた通り、本番では畳み掛けるようなセリフの応酬の中で、新内もテンポ良く合いの手を入れたり、キビキビと、そして歌の振り付けのようにスムーズな動きを見せて、見事に水野を演じ切っていた。水野はこの事件を早く解決して自分の結婚式に行かなければならないが、ひそかに思いを寄せる木村伝兵衛に"結婚を止めてほしい"という気持ちの間で揺らいでいるという役どころで、そのもどかしさから、苛立って怒ってばかり。普段の新内は笑顔で穏やかな印象が強いため、新内ファンから見てもこれまでとは違った一面が見られる作品になっている。

そんな同作が3月20日(土)TBSチャンネル1でテレビ初放送が決定した。放送されるのは、新内のほか、味方、池岡、石田が出演の1月27日の夜公演。本公演に加えて、稽古の様子やインタビューなどのメイキング映像も放送されるので、新内眞衣の新たな挑戦と最新の『熱海殺人事件』の世界をたっぷりと味わってもらいたい。

文=田中隆信

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放送情報

舞台「熱海殺人事件 ラストレジェンド ~旋律のダブルスタンバイ~」
放送時間:2021年3月20日(土)20:30~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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