「陳情令」のワン・イーボーの美を堪能できる豪華中国絵巻！婚礼シーンの美しさに見惚れる...

「陳情令」(2019年)を発端に一大ムーブメントを巻き起こした、見目麗しいイケメン主演の中国時代劇。その立役者とされるのは、やはり「陳情令」で熱きブロマンスを見せたシャオ・ジャンとワン・イーボー。特に、気品が漂う端正なビジュアルのイーボーは、その後に出演した時代劇でもビッグヒットを連発している。

中でも、2021年12月に中国の動画配信サービスで公開されるやいなや、瞬く間に話題となった最新主演作が「風起洛陽～神都に翔ける蒼き炎～」だ。イーボー扮する高官の息子、百里弘毅は、「陳情令」の藍忘機(ラン・ワンジー)役にどことなく相通ずるミステリアスなキャラクターで、彼の美貌が引き立つクールな佇まいを見せている。

今年25歳を迎えるイーボーが、アイドルグループ・UNIQのメンバーとして2014年にデビューし、その後ソロ活動と並行しながら俳優としても活動の幅を広げていったというキャリアは広く知られている。そして中国で社会現象化するほどの大ヒットを巻き起こした「陳情令」でのブレイク後、「有翡(ゆうひ) -Legend of Love-」(2020年)で中国のトップ女優チャオ・リーインと共演。中国で配信が開始されると初日2時間であっという間に再生回数1億回を突破するという大反響を巻き起こし、イーボー自身も中国きってのスター俳優へと急成長を遂げた。

そんなイーボーが主演の1人として出演した大作が「風起洛陽～神都に翔ける蒼き炎～」。武則天が建立した王朝・武周における神都・洛陽を舞台に、不可解な殺人事件とその裏に隠された陰謀に主人公たちが挑んでいく本格サスペンス時代劇だ。

「三国志Secret of Three Kingdoms」「長安二十四時」など映像化作品のヒットが続く人気小説家・馬伯庸(マー・ボーヨン)の歴史小説を、総視聴回数145億回超えの大ヒット作「扶揺(フーヤオ)～伝説の皇后～」のシエ・ゾー監督のメガホンにより映像化。イーボーとともにW主演を務めるのは、染谷将太や阿部寛らも参加した巨匠チェン・カイコー監督の日中合作映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』(2017年)などで知られる実力派俳優ホアン・シュエン、という華々しい座組で製作されている。

壮大かつ緻密な舞台セットも規格外のスケール感で、舞台となる神都・洛陽は4万平方メートルの広大な撮影スタジオに100ヶ所以上のセットを組んで再現されたもの。そこに、1万5000点以上に及ぶ衣装や小道具を持ち込んで武周時代の洛陽を見事に作り上げた。

これだけの超大作で主演に抜擢されたイーボーだが、その存在は霞むどころかむしろ輝きを増している。力の入った絢爛豪華なセットによって、イーボーの持つクールでミステリアスな雰囲気がより引き立ち、作品の世界観を見事に引き締めているのだ。

第1話、工部尚書(長官)を父に持つ弘毅(イーボー)が料理に評価を与えるため試食するシーンでは、料理をひとさじ掬い上げて口に運ぶだけながら、その所作が実に優雅。不思議と目を逸らすことのできない緊張感漂うシーンに仕上がっている。また、第3話に登場する柳家の娘、柳然(ソン・イー)との婚礼の場面は、煌びやか衣装を纏った大勢の参列者が居並ぶ中でも、ひときわ高貴なイーボーの顔立ちが目を引く必見シーンだ。

そうした中国時代劇ならではの耽美な世界観もさることながら、仲間の仇討ちに執念を燃やす高秉燭(ホアン・シュエン)、宮中警備を担う内衛の武思月(ビクトリア/ソン・チェン)らと共に、弘毅が繰り広げる派手なアクションシーンも見応え十分。中国では配信開始から1時間足らずで「洛陽」を含むドラマ関連ワードが各SNS、視聴者の反響を表す"熱度ランキング"で上位を独占するほどの反響を呼ぶ注目作となった。

4月14日からは「陳情令」のアニメ版である「魔道祖師」の声優キャストがそのまま続投したことでも話題の「陳情令」日本語吹替版がＷＯＷＯＷプライムにて放送中。イーボー扮するストイックで寡黙な藍忘機は立花慎之介が演じており、オリジナルとはまた違った世界観が創出されている。アジアを席巻した両作で、ブレイク俳優ワン・イーボーの魅力をたっぷり味わってみてはいかがだろうか。

文＝酒寄美智子

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