1人3役がすごい!林遣都主演"ソーシャルディスタンスドラマ"の魅力

「世界は3で出来ている」より
「世界は3で出来ている」より

新型コロナウィルスの発生以降、世の中が大きく変わった。緊急事態宣言で街から人が消え、解除後は飲食店などがどんどん無くなっている。学校は卒業式、入学式、そして授業さえもままならず、大学は未だオンライン授業のところも多い。会社も出社が制限され、自宅などからのリモート勤務が増え、飲み会もリモートに。マスク、手洗い、三密を避けソーシャルディスタンスを保つという生活様式が新スタンダードとなった。

エンタテインメントの世界も三密になるライブや演劇の公演が中止になり、ドラマも多くのスタッフ、キャスト、エキストラの集まる撮影が中断。4月クールのドラマが放送延期となり、ゴールデンタイムに過去作品を再放送するという事態に陥った。

「世界は3で出来ている」に出演した林遣都

そんな中、外出ができないという状況をうまく使ったドラマが登場。「世界は3で出来ている」はスタジオで撮影を行うが、主演キャストが共演者と対峙しない...つまり、1人だけしか出演しない「ソーシャルディスタンスドラマ」というまた新しいジャンルを生み出した。このドラマが9月13日(日)フジテレビTWOにて放送される。

制限の多いリモートドラマ、ソーシャルディスタンスドラマは、脚本、監督、役者の力量にかかってくるが、主演は「おっさんずラブ」で注目を集めた林遣都、脚本は朝ドラ「スカーレット」の水橋文美江、監督は木村拓哉主演の「教場」を演出した中江功という最高の布陣。

林遣都が演じたのは、一卵性三つ子という1人3役。役者は、彼しか出てこない。望月家の三つ子の真ん中・勇人(ゆうと)は商事会社勤務で、同じ会社に恋人がいる。ノリだけで生きてきた自他ともに認める「ポンコツ」で、会社でも落ちこぼれて、辞めようかと悩んでいた。緊急事態宣言が解除されたある日、勇人を案じていた会計事務所勤務の兄・泰斗(たいと)と農園経営をしている弟・三雄(みつお)が勇人の元にやってきて、3人で会話をはじめる。

3人がしゃべっているだけのドラマだが、なんと林は各人のせりふごとに服を着替えて3役を同時進行で演じており、1日の着替えは実に100回以上になったそう。しっかり者の兄、お調子者の主人公、のんびり屋の弟。そんな林遣都の見事な3役の演じ分けと、脚本と演出の妙で、どんどん話に引き込まれていく。

緊急事態宣言を挟んだ3ヶ月で、三つ子にはそれぞれ大きな変化があったが、それは3人だけでなく、さまざまなところで起こっていたのだ。物語にはもう1人の主役がいる。それが「バターラーメン」なのだが、ラーメンにもコロナ禍で変化があったのだ。

いろいろと考えさせられるが、見終わった後に間違いなくラーメンが食べたくなるので、その覚悟が必要。そしてドラマの結末に、勇人は大きな幸せを手に入れることができるのか。じっくり考えてみたい。

文=坂本ゆかり

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放送情報

世界は3で出来ている
放送日時:2020年9月13日(日)23:00~
チャンネル:フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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