薬丸裕英本木雅弘布川敏和、三者三様の個性が光る!シブがき隊の映画デビュー作

映画『ボーイズ&ガールズ』より
映画『ボーイズ&ガールズ』より

1981年から放送されたテレビドラマ「2年B組仙八先生」に生徒役として出演していた薬丸裕英、本木雅弘、布川敏和が1980年代に結成したアイドルグループが「シブがき隊」である。1982年5月5日、こどもの日にファーストシングル「NAI・NAI 16」でデビューした。

どこかやんちゃな香りを残しながらも、若さあふれる全力投球な姿が多くのファンの心をつかみ、またたく間に1980年代を代表するスーパーアイドルとなった。ヒット曲の「スシ食いねェ!」は、いまでもバラエティー番組の定番BGMとしてなじみ深いが、「NAI・NAI 16」「100%...SOかもね!」「ZOKKON命(LOVE)」など、独特のワードセンスが光る楽曲の数々は、1980年代ならではの勢いを感じさせる。

『ボーイズ&ガールズ』に出演しシブがき隊
『ボーイズ&ガールズ』に出演しシブがき隊

(C)東映

そんな「シブがき隊」の映画デビュー作『ボーイズ&ガールズ』が10月に東映チャンネルで放送される。現在はそれぞれの道を歩み、ベテランの風格を見せている3人だが、ここではそんな彼らのデビュー当時の、はじけそうな若さがスクリーンから爆発している。ストーリーはシンプルなボーイ・ミーツ・ガールものとなり、東京の全寮制高校に通う3人の高校一年生が、夏休み直前に自由を求めて寮を抜け出し、向かった先のリゾート地で出会った3人の少女たちと淡い恋に落ちる――という青春映画だ。

(C)東映

当時の資料によると、ヤックン(薬丸裕英)は「ちゃめっ気たっぷりの顔にドスのきいたシブーイ声。3人の中では一番ツッパッてる」「学校では男友達と大好きなオートバイの話をしてる時が一番楽しい。メソメソしたヤツは大キライという底抜けの明朗ボーイ」。モックン(本木雅弘)は「一番おとなしい二枚目のようだが、かなりトボケてる。『2年B組仙八先生』では"ツッパリのすばる"で通ってきたが、根はやさしい男の子。柏モチやアンミツが大好きな甘党」。そしてフックン(布川敏和)は「話すと語尾に"ネェ"がつくところがなんとも甘ったるいがカワイイ。一見、たしかにおとなしいが、案外シタタカなものを持っているようだ。シブがき隊では絶対チームワーク!を主張している」とのこと。この三者三様の個性が、この映画でもしっかりと光っている。

撮影は伊豆で行われたが、人気絶頂の彼らのスケジュールを確保するのは大変で、彼らのテレビ出演のために、東京のスタジオにトンボ帰りすることも。さらには、撮影中に学校の中間試験もあったという。だが、そんな多忙を極める彼らだからこそ、伊豆のロケ撮影中は修学旅行のような気分もあったとか。「撮影のスケジュールが物語の順序通りに組まれているので、気分が乗りやすい」とのことで、リラックスして撮影に挑むことができたという。

(C)東映

メガホンをとったのは、劇場公開映画第1作『の・ようなもの』が話題となり、1983年に公開される『家族ゲーム』で時代の寵児となる鬼才・森田芳光監督。自身の作家性よりも「アイドル映画を見に来るファンの人たちに対してキッチリと映画を作る」ということをテーマに掲げて作られた作品であるが、「大量のトイレットペーパーが坂道を転がっていくシーン」や「畳の部屋であみだくじを行うシーン」など、森田監督ならではの遊び心あふれるシーンがそこかしこに。不思議な魅力がある。

文=壬生智裕

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放送情報

ボーイズ&ガールズ
放送日時:2021年10月2日(土)20:30~ほか
チャンネル:東映チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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