「Origin」「SEIMEI」...羽生結弦のこだわりが詰まった名プログラム

「羽生結弦プログラムコンサート ~Music with Wings~」
「羽生結弦プログラムコンサート ~Music with Wings~」

2月6日(木)より開幕する「四大陸フィギュアスケート選手権2020 in 韓国」では、"スーパースラム"達成なるかと注目を集めている羽生結弦選手。五輪2連覇など数々の偉業を成し遂げてきた彼が、スケートを始めた時から今シーズンまで、試合で演じてきたプログラムの楽曲の数々を総勢100名から成る生オーケストラで演奏した「羽生結弦プログラムコンサート ~Music with Wings~」の模様が、2月15日(土)にテレ朝チャンネル2にて放送される。

このコンサートでは、幼少期から現在に至るまでの羽生の使用楽曲が演奏されるだけでなく、スケーティングや子供時代の写真など厳選された映像を大スクリーンに投影しながら数々の名シーンを臨場感たっぷりに再現し、音楽という切り口から彼の歩みを振り返っていく。

「羽生結弦プログラムコンサート ~Music with Wings~」

「フィギュアスケートの根源にあるのは音楽を表現したいということ」というコメントからもわかるように、選曲には並々ならぬこだわりを持っている羽生。そんな彼が昨シーズンから引き続き今シーズンも、フリープログラムで使用していたのが「Origin」だ。

この曲は、羽生がフィギュアスケートで多大な影響を受けた"ロシアの皇帝"エフゲニー・プルシェンコの伝説的プログラム「ニジンスキーに捧ぐ」で使用していたエドヴィン・マートン作曲の「ART ON ICE」「Magic Stradivarius」をアレンジしたもの。「Origin」と名付けたことからも分かるように、彼のスケート人生の"原点"に立ち返る1曲だ。この曲を使ったプログラムで、今季のGPシリーズカナダ大会では自己ベストを記録。コンサートでは、オーケストラの演奏と会場の大きなスクリーンに映る羽生選手の演技の映像をシンクロさせている。フィギュアスケートは、ショートプログラムは2分30秒、フリーは4分と決まっているため、音楽は当然編集されている。しかも、羽生選手の場合は、ジャンプやステップは音に合わせて構成。その"音"と"演技"をぴったりシンクロさせている点も見どころの一つだ。

また、「Origin」と並び、羽生の代名詞とも言えるプログラムが今シーズン後半に再度使用している「SEIMEI」だ。稀代の陰陽師こと安倍晴明が主人公の映画『陰陽師』のサウンドトラックを使用したこのプログラムでは、能や狂言の動きを取り入れた振り付けや、平安時代の"狩衣"をモチーフにした衣装など、氷上を和の空間へと変貌させた。日本の伝統文化を色濃く反映させ、欧米のスケーターとは全く異なる唯一無二の世界観を創出。この曲で、羽生は、2018年の平昌五輪を制し、66年ぶりの五輪2連覇を達成するに至ったのだ。「もっとも自分らしいスケートができる」と羽生自身も語っている「SEIMEI」は、オーケストラと和楽器で演奏されることで、より壮大な世界観を生み出している。

このほか、シニア転向後初の大会優勝をはじめ、GPシリーズ初優勝、世界選手権でも3位と世界に羽生の存在感をアピールした2011-12シーズンのフリーで使用した「Romeo & Juliet」。JGPファイナルで史上最年少優勝を果たしたほか、全日本ジュニア選手権、世界ジュニア選手権とタイトルを総なめにした2009-10シーズンの「パガニーニの主題による狂詩曲」。そして、4歳でスケートを始めた羽生が初めて大会で演技を披露した「ウルトラマンガイア」――幼少期から現在のトップスケーターに至る軌跡をひも解きながら、フルオーケストラの演奏に身をゆだねていると、羽生自身が抱く表現への気持ちの変化なども感じ取れるような気がしてくる。

来たる3月には、カナダ・モントリオールで開催される世界選手権が控えている羽生。自身の競技者としての強い想いが詰まったプログラムをどのように表現するのか?そしてシーズンを有終の美で締めくくることができるのか?その気になる行方も心待ちにしたい。

文=HOMINIS編集部

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放送情報

羽生結弦プログラムコンサート ~Music with Wings~
放送日時:2020年2月15日(土)12:00~
チャンネル:テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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