勝負の五輪シーズン初戦!鍵山優真坂本花織らトップ選手の新演目に向けられる期待

「げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会」
「げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会」

写真提供:滋賀県スケート連盟

数々のドラマを生んだ東京五輪・パラリンピックが幕を閉じ、また新たな目標へと舵をきったアスリートたち。フィギュアスケート界も、今冬最大のイベントとなる北京五輪を控える2021-22シーズンの初戦を迎えた。その1つが、滋賀県立アイスアリーナを舞台に行われた「げんさんサマーカップ2021 フィギュアスケート競技会」(J SPORTS 4にて9月25日・28~30日に放送)だ。

東京五輪閉会式の翌日、8月9日より5日間にわたって同大会には、日本スケート連盟や各府県スケート連盟に登録している総勢304人もの選手が出場。北京五輪でメダルを狙うトップ選手も数多く出場しており、激しい上位争いが繰り広げられた。

友野一希、鍵山優真らが表彰台を飾った「げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会」
友野一希、鍵山優真らが表彰台を飾った「げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会」

写真提供:滋賀県スケート連盟

シニア男子の注目は、複数回の4回転ジャンプを組み込んだ攻めの新フリー「ラ・ラ・ランド」を披露した友野一希選手と、昨季はシニアデビュー1年目にして世界選手権2位と大躍進した鍵山優真選手だ。

五輪シーズン初戦となる今大会では、特に鍵山選手へ向けられる期待は高く、そんなプレッシャーの中で始まったSP「君微笑めば(When you're smiling)」の演技では、得意のジャンプが振るわず3位スタートに。その後のフリーでは、黒地に金の装飾を施した衣装に身を包み、五輪シーズンに向けて準備した新プログラム「グラディエーター」を初披露した。ジャンプのミスはあったものの、力強くしなやかなスケーティングを見せた鍵山選手のフリーは150.14点で1位を記録。SPの挽回に成功し、優勝した友野に僅差まで迫る総合2位の成績で初戦を終えた。

「げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会」
「げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会」

写真提供:滋賀県スケート連盟

シニア女子における最大の注目選手はやはり坂本花織選手だ。競技中に楽曲が2度止まるという異例のアクシデントに見舞われるも、落ち着いた力強い滑りで首位発進したSP。続くフリーでは、予定していた新プログラム「No More Fight Left In Me/Tris」から、急遽2018-19シーズンの「ピアノレッスン」へと変更したことも話題を呼んだ。

新フリーは数日前に行われた「THE ICE 2021」で披露したばかりの演目だったが、前日のSP後に変更を決めたと明かしていた坂本選手。そんな迷いがある中でもノーミスのパーフェクトな演技を見せ、総合217.24点と2位以下に20点以上の大差をつけて優勝に輝いた。

そのほか、実力者が揃ったシニア女子では、宮原知子、三原舞依、樋口新葉ら3選手が僅差となる三つ巴の戦いを展開。SPでは6位だった宮原が、2シーズン目となる「トスカ」を貫録の演技で滑り切り総合2位へとジャンプアップ。また、トリプルアクセルに果敢に挑んだ樋口は悔しさの残る総合4位に、昨秋復帰を果たした三原は丁寧な柔らかい滑りでSP5位から総合3位に巻き返しフリー後は笑顔を見せた。

それぞれに全力を尽くした演技の中で、次への課題を見出していた今大会。ここから12月の全日本選手権まで、五輪出場の切符をかけた戦いが続々と控えている。いつも以上に特別な意味を持つ勝負のシーズンは始まったばかり。葛藤や課題を乗り越えて自身の演技をどこまで高めていくか――各選手の動向から目が離せない冬になりそうだ。

文=中川菜都美

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放送情報

げんさんサマーカップ2021フィギュアスケート競技会
放送日時:2021年9月25日(土)18:00~
チャンネル:J SPORTS 4
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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