悔しさを胸に次なるステージへ!アイスダンス・村元哉中高橋大輔が見せる驚異の進化

村元哉中・高橋大輔(※写真は「全日本フィギュアスケート選手権2021」)
村元哉中・高橋大輔(※写真は「全日本フィギュアスケート選手権2021」)

Photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

いよいよ2月4日(金)に北京五輪が開幕する。どの種目の代表争いも注目を集めたが、特に熾烈を極めたのがフィギュアスケートだろう。代表最終選考会は、昨年12月22日〜26日に行われた「全日本フィギュアスケート選手権2021」。男子シングルは復帰戦かつシーズン初戦となった羽生結弦が優勝を飾り、ケガの痛みを抱えながらも自己ベスト更新しさらなる成長を感じさせた宇野昌磨が2位、重圧の中でフリー後は涙も見せた鍵山優真が3位となり初の五輪出場を決めた。

女子シングルはダイナミックでスピードのある貫禄の演技で坂本花織が3年ぶり2度目の優勝を決めた。魂を揺さぶるような気迫溢れるスケーティングで4年前の悔しさを晴らした樋口新葉が2位、トリプルアクセルを成功させフレッシュな演技を見せた17歳の河辺愛菜が3位となった。

中でも代表1枠という狭き門のアイスダンスは、フリーダンスで優美な世界観を体現し、安定感のある演技を見せた小松原美里・尊が4連覇を決めた。リズムダンスで転倒し2位発進した"かなだい"こと村元哉中・高橋大輔(※「高」は正しくは「はしご高」)は、フリーダンスでは2人らしい伸びやかで息の合った演技で猛追。小松原組を上回る点数を叩き出すも、合計でわずか1.86点及ばす2位となり、惜しくも代表の座を逃した。

2010年バンクーバー五輪で銅メダル獲得、同年世界選手権優勝と数々の日本男子初の快挙を成し遂げてきた高橋は、男子シングルのレジェンドと言って差し支えない。小松原組の2人にとっても憧れの存在であった彼が、2018年に現役復帰、翌年にアイスダンスに転向したことは、フィギュアスケート界に大きな衝撃を与えた。

4年のブランクと32歳での復帰という異例の挑戦にも関わらず、観客を惹きつける豊かな表現力は健在だ。アイスダンスではアジア初のISUチャンピオンシップのメダリストであり平昌五輪代表経験を持つ村元とペアを組み、今季で結成2季目。シーズン初戦となった昨年11月のNHK杯では、179.50点と日本歴代最高得点をマークし、続くワルシャワ杯で190.16点とさらに更新するなど勢いに乗っている。

「ISU四大陸フィギュアスケート選手権」の前回大会は男子シングルで羽生結弦が優勝、鍵山優真が3位だった
「ISU四大陸フィギュアスケート選手権」の前回大会は男子シングルで羽生結弦が優勝、鍵山優真が3位だった

REUTERS/Kim Hong-Ji

五輪代表を惜しくも逃したものの、悔しさを胸に2人は前を向いて次の舞台へとチャレンジしている。それが1月20日〜23日に行われた「ISU四大陸フィギュアスケート選手権2022」(J SPORTSにて1月31日より全種目・全滑走放送)だ。ヨーロッパを除くアフリカ・アジア・アメリカ・オセアニアの4大陸の代表選手が出場する、オリンピック・世界選手権に次ぐ国際大会。昨年はコロナ禍により中止されたが、今年はエストニア・タリンで開催され、2人にとって初の主要国際大会出場となった。

村元・高橋ペアは、リズムダンスで赤と黒の和テイストの衣装を身に纏って登場。持ち前の高い表現力とキレのある演技で独創的な世界観の「ソーラン節&琴」を披露し、改めて世界の注目を集めた。一方、フリーダンスのハイレベルな構成のプログラム「ラ・バヤデール」では演技の華麗さが印象的。パーフェクトな出来とまではいかなかったが、その分まだまだ伸び代を感じさせてくれた。

今回の四大陸選手権のSPで自己新の得点を記録した女子シングルの三原舞依(※写真は「全日本フィギュアスケート選手権2021」)
今回の四大陸選手権のSPで自己新の得点を記録した女子シングルの三原舞依(※写真は「全日本フィギュアスケート選手権2021」)

Photo by Naoki Morita/AFLO SPORT

3月に行われる「ISU世界フィギュアスケート選手権2022」にも出場を予定している"かなだい"。結成2年目にして世界と戦える確かなスケーティングを見せている。日々成長を遂げる2人の驚異の進化から、今後も目が離せないだろう。

文=中川菜都美

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放送情報

ISU四大陸フィギュアスケート選手権2022
放送日時:2022年1月31日(月)14:00~
チャンネル:J SPORTS 4
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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