小栗有以×岡田奈々、AKB48の次世代を担う2人が舞台上で火花を散らす！

AKB48グループのメンバーが出演してきたドラマ「マジすか学園」シリーズの続編として、小栗有以(AKB48)主演で2018年7月から9月にかけて日本テレビで放送された「マジムリ学園」。
ドラマ版の内容を少し説明すると、舞台は私立嵐ヶ丘学園という共学校。校内には、生徒会長のカイザー(本間日陽／NGT48)を頂点にしたヒエラルキーが存在していた。生徒会メンバーと実行部隊の親衛隊を「選民」、それ以外は「平民」と呼ばれ、「上を見るな。下を見ろ！」というカイザーからの命令もあり、ほとんどの生徒は力に屈している状況だった。そんな時、謎の転校生・リリィーが現れ、触発された平民の生徒たちが華組を結成し、革命を企てるという物語。主人公のリリィーを演じたのは小栗有以(AKB48)。おっとりした性格で、リリィーとは正反対のタイプだが、回し蹴りを決めるなど、アクションシーンも様になっていた。
舞台版は10月に日本青年館で上演された。内容は、ドラマ版の続きではなく、設定を変えたアナザーストーリーになっており、ドラマ版からの続投メンバーに加えて、舞台版だけの新たなメンバーも出演。リリィー役の小栗有以とW主演を務めたのは岡田奈々。岡田が演じる役は荒地工業高校でトップを張るネロ。ドラマ版では荒地のトップ"卍(まんじ)"をSTU48の瀧野由美子が演じていたが、舞台ではSTU48のキャプテンでもある岡田が引き継いだ形となった。初日の会見時にも「"卍"が荒地を背負っていた分、今度は私が"卍"の魂を引き継ぎつつ、ネロとして頑張りたい」と発言していた。

小栗有以と岡田奈々、次世代エース2人の共演

岡田奈々といえば、AKB48のメンバーとしてだけでなく、STU48をキャプテンとして引っ張っている存在。18年1月には自身初のソロコンサートを開催し、同じく1月に発売されたAKB48の9thアルバム『僕たちは、あの日の夜明けを知っている』のリード曲「靴紐の結び方」でセンターを務めた。2月には初の写真集を発売し、3月発売のAKB48 51stシングル「ジャーバージャ」で念願のシングル表題曲単独センターに抜擢。さらに6月に行われた「AKB48 53rdシングル 世界選抜総選挙」で自己最高位の5位にランクインするなど、AKB48グループを代表するメンバーの1人となっている。歌のうまさにも定評があり、先日行われた「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」では予選をトップ通過、決勝でも3位に入賞するなど結果を残した。

一方、小栗有以はチーム8の東京都代表メンバーで、これまでもチームを引っ張ってきた存在だったが、18年5月発売のAKB48 52ndシングル「Teacher Teacher」で単独センターを任され、6月の選抜総選挙では前年の51位から25位に躍進するなど、18年は大きな飛躍の年に。それぞれタイプは違うが、今後のAKB48を担うエース2人の共演というところもこの舞台の見どころだと言える。

舞台版の前半は、私立嵐ヶ丘学園の中での物語と、荒地工業高校の中でネロがトップに君臨するまでの物語が同時進行し、後半で両校が対決する展開となっている。前半の展開の中で、新キャラクターを含めたさまざまなキャラの個性や成長、変化を見ることもこの舞台の楽しみ方の1つ。岡田をはじめ、荒地工業高校の四天王を演じた武藤十夢(クインビー役)、福岡聖菜(ゾンビ役)、太田奈緒(赤犬役)もいつもとは違う一面が感じられる演技を見せてくれる。

ドラマ版では見られなかった回し蹴りの全容も！ド迫力の殺陣に注目

そして、1番の見どころはアクションシーン。小栗が「ドラマ版では、リリィーが回し蹴りする時、すぐに(スカートの裾に刺繍されている)百合の花の映像に切り替わるので、回し蹴り全体の映像は見られなかったのですが、舞台だと全体が見られるので、舞台ならではのアクションに注目してもらいたいです。舞台でも回し蹴りをする...かもしれないので(笑)、その瞬間に百合の花が見られるかもしれません」と話すと、岡田も「殺陣(たて)が多いので、ケンカのシーンが迫力があります」とアクションシーンに自信を持っていた。
岡部麟、向井地美音、倉野尾成美ら"華組"のメンバーや、"エロ先生"役の横山由依はドラマ版から引き続き出演しており、ドラマ版の世界観はしっかりと踏襲しているが、アナザーストーリーなので、ドラマ版を見ていない人も楽しめる作品となっている。舞台ということで、殺陣だけでなく、楽曲に合わせたダンスなども見られるが、舞台のための書き下ろし楽曲も用意されているので、それも重要なチェックポイントだ。
この舞台の完全版は1月27日(日)に日テレプラスで放送される。本編終了後に行われるミニライブはもちろん、収録当日にオープニングアクトとして行われた小栗有以のソロライブも放送。この機会にかわいいだけじゃない、かっこよくてクールなAKB48グループの魅力も味わってもらいたい。

文＝田中隆信

この記事の全ての画像を見る