夫婦役の玉木宏川口春奈がコミカルに振り切った演技を見せる『極主夫道 ザ・シネマ』

「極主夫道 ザ・シネマ」で夫婦を演じた玉木宏と川口春奈
「極主夫道 ザ・シネマ」で夫婦を演じた玉木宏と川口春奈

原作は、おおのこうすけによる人気コミック。ドラマ版が好評を得て制作された「極主夫道 ザ・シネマ」がWOWOWシネマで2月に放送される。玉木宏が、かつて「不死身の龍」と恐れられた伝説の極道・黒田龍を演じ、そのカタギの妻・美久を川口春奈が演じている。かなりぶっ飛んだドタバタ劇で、玉木も川口も他の作品ではここまでやらないだろうというほどコミカルな表情を見せている。もともと超のつく美男美女だけに、そのギャップが見どころだ。

龍は美久との結婚を機に足を洗い、専業主夫となった。そして、料理・洗濯・掃除に買い物と家事全般を几帳面にこなしつつ、美久と娘の向日葵(白鳥玉季)と3人で穏やかに暮らしていたが、近所に近藤(吉田鋼太郎)率いる地上げ屋が現れる。彼らが狙うのは、白石(安達祐実)が園長を務める「かりゅう保育園」の土地。近藤の手下による執拗な嫌がらせは続き、龍は元舎弟の雅(志尊淳)と共に用心棒を買って出るが、近藤たちの行動はエスカレートしていく。さらに、龍の家の前に幼い男の子が捨てられていて、しばらく龍ファミリーで預かることに。美久はその子を可愛がりつつも、龍の隠し子ではないかと疑う。

(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会

玉木宏は体に龍の彫り物を入れ、顔に向かい傷のある龍を熱演。真剣な顔をしながらドスの効いた声で自治会費の集金に回る様などで笑いを誘う。吉田がイタリア語を連発する近藤を怪演しキャラ立ちしているが、それに負けないだけの迫力と面白味を出せるのは、さすがだ。俳優歴24年、もはやベテランの域に入ったという安定感がある。アクションも肉弾戦から自転車での暴走、カーアクションまでキレキレの動きで退屈させない。主夫の役だけにエプロンをつけて料理をするシーンも、自身が料理好きだというだけに自然だ。

本作での川口は、切ない演技で涙を誘った主演ドラマ「silent」とは真逆の演技を披露。ゴキブリを見てギャーッと叫び声を上げる様や、料理が下手なのにキャベツを乱切りする様などで笑わせる。これまでもドラマ「ヒモメン」や映画「にがくてあまい」などで切れ味鋭いリアクションをしてきた川口。実は、コメディセンスも抜群なのだ。2014年に「幕末高校生」で川口と共演していた玉木も、当時からその瞬発力を認めていたと語っている。美久が龍と関係のあった女性を捜そうとし、嫉妬心を燃やす様もキュートだ。

(C)2022「極主夫道 ザ・シネマ」製作委員会

志尊のほか、橋本じゅん、滝藤賢一、稲森いずみ、竹中直人というドラマ版でおなじみのメンバーに加え、映画版には吉田、安達、松本まりかが出演。演技巧者のキャストが顔を揃え、徹底的にふざけ合っているという贅沢で、理屈抜きに楽しめる一作だ。

文=小田慶子

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放送情報

極主夫道 ザ・シネマ
放送日時:2023年2月18日(土)20:00~
チャンネル:WOWOWシネマ

放送日時:2023年2月19日(日)16:15~
チャンネル:WOWOWプライム

※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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