西畑大吾、向井康二、大西流星、浜中文一ら人気メンバーが躍動する映画「関西ジャニーズJr.の目指せ♪ドリームステージ!」

関西発のネクストジェネレーションとして活動していた関西ジャニーズJr.。そんな彼らが2013年に映画「関西ジャニーズJr.の京都太秦行進曲!」が公開されるなど、メンバーが出演する映画製作にも力を入れていた。同作のヒットに続いて、2014年に「忍ジャニ参上!未来への戦い」が公開されて人気を博すと、その勢いで2016年に3作目の映画として公開されたのが、「関西ジャニーズJr.の目指せ♪ドリームステージ!」である。

同作は関西ジャニーズJr.のメンバーから、これが映画初出演となる西畑大吾が主演を務め、前作に続いて向井康二、大西流星も共演した。さらに浜中文一といった当時の関西ジャニーズJr.の人気メンバーが集結した作品だ。いまいち売れない地元のアイドルグループ「小姓ズ」の面々が、生き残りをかけて奮闘する姿を描いた青春ドラマである。

地元アイドルグループ「小姓ズ」は、5周年記念ライブを満員にできなければ解散させると通告され、地域活性化のために結成されたものの、効果が現れていないという市役所担当者に引導を渡された。ライブは1ヵ月後。時間がないと慌てた「小姓ズ」のメンバーは、とりあえず流行りのミュージカルを演目とすることで乗り切ろうとする。だが、歌や踊りの技術に乏しい彼らのパフォーマンスは明らかに力不足で、すぐに飽きられてしまった。果たして彼らは解散を阻止することができるのだろうか。
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劇中に登場する「小姓ズ」は、容量の良さが取り柄のイマドキ男子・水上風太(西畑大吾)、風太の幼馴染で大学に通う・小柳翔吉(向井康二)、礼儀正しい高校生・橘亮介(大西流星)、いい加減な性格の元ホスト・坂野次郎(浜中文一)、親方に内緒でアイドル活動をするとび職・朝日奈和正の5人。主人公の風太にしても、将来の夢を持てずにフリーター生活をしていた中で、たまたま受けたオーディションに合格してメンバーに入ったという程度。才能もやる気もあまりなく、中途半端な思いでアイドル活動をしていた、冴えないグループだった。そもそも「小姓ズ」という微妙なネーミングからして、失笑してしまうのだが、そんな彼らが解散阻止のために一念発起して奮闘する姿が描かれている。

冒頭で描かれる彼らのダメダメな姿につい笑ってしまうが、現在でこそ華々しく活躍している出演者の彼らも、デビュー前にはそれぞれ辛いこともあったのだろうななどと想像すると、ついつい感情移入してしまう。特に、主演を務めた西畑の演技は印象的だ。西畑は、2014年にNHK連続テレビ小説「ごちそうさん」で、テレビドラマに初出演。当時は17歳で演技経験は乏しかったのだが、非常に高く評価された。本作が公開された2016年には、再びNHK連続テレビ小説「あさが来た」にレギュラー出演。この時も好演ぶりが評判を呼んでいる。

本作でも映画初出演ながら、細やかな感情表現など丁寧な演技が素晴らしく、今後の成長の可能性を感じさせてくれた。

向井も彼の持ち味を存分に生かして、特にコメディパートで活躍。好青年を演じる大西も存在感抜群で強い印象を残し、楽しませてくれる。

現在は人気・実力ともにうなぎ上りの西畑、向井、大西や舞台での活躍がめざましい浜中などトップアイドルへの階段を駆け上がっていった頃の作品だけに、現在の彼らの姿とは違った魅力を感じられるはず。ジャニーズファンなら、一見の価値ある作品と言えるだろう。

文＝渡辺敏樹

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