星組トップスター・礼真琴が「静」の演技を開花させた、宝塚歌劇「ディミトリ~曙光に散る、紫の花~」('23年星組・東京・千秋楽)

礼真琴
礼真琴

星組公演「ディミトリ」は、黒海とカスピ海に挟まれたヨーロッパの東の果ての国、ジョージアを舞台にした作品だ。原作は並木陽の「斜陽の国のルスダン」。これに演出家の生田大和が着目し、タカラヅカらしい舞台に仕立ててみせた。

13世紀前半、ギオルギ王(綺城ひか理)がジョージアを治める時代、人質としてジョージアに送られてきたルーム・セルジュークの王子ディミトリ(礼真琴)はギオルギの妹ルスダン(舞空瞳)と共に育ち、互いに思いを寄せ合っていた。だが、ルスダンが嫁ぐ頃には別れねばならない運命をディミトリは覚悟していた。

ところが、モンゴルのチンギス・ハーンの侵攻でギオルギ王は深手を負ってしまう。王は、ルスダンにディミトリと結婚し、女王としてこの国を守るよう言い残して息絶えた。

ディミトリは、女王ルスダンとジョージアのために生きることを心に決める。しかし、廷臣らはルスダン女王に従わず、政務は困難を極めた。さらに、モンゴルによって国を奪われたホラズムの帝王ジャラルッディーン(瀬央ゆりあ)が、新たな国土を求めてジョージアに狙いを定めてくる。女王ルスダンのため、ディミトリは自分に何ができるかを考え、ある決断に至る...。

ディミトリを演じる星組トップスター・礼真琴は歌・ダンス・芝居と三拍子そろった安定の実力派。それゆえ、海外ミュージカル作品にも定評があり、「ロックオペラ モーツァルト」(2019年)、「ロミオとジュリエット」(2021年)、「Le Rouge et le Noir 〜赤と黒〜」「1789」(2023年)と主演してきた。さらに2024年の幕開けには話題の映画「RRR」を舞台化した「RRR × TAKA"R"AZUKA ~√Bheem~」でビーム役を演じることでも注目されている。
 
その礼が演じるディミトリは「動」と「静」でいうならば「静」の役だ。これまで、どちらかというと前述したロミオをはじめ「動」の役が多かった礼の新たな魅力が開花した役でもある。もちろん、ノグチマサフミ振付によるジョージアンダンスの場面ではダンサーとして本領を発揮する。

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放送情報【スカパー!】

ディミトリ~曙光に散る、紫の花~(’23年星組・東京・千秋楽)
放送日時:1月1日(月)17:30~ほか
放送チャンネル:TAKARAZUKA SKY STAGE
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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