まもなく最終回を迎える宮藤官九郎脚本のオリジナルドラマ「不適切にもほどがある!」。注釈テロップ、盛り込まれた小ネタ、ミュージカルシーン...など、先の読めないストーリーで放送のたびに大きな話題を巻き起こしてきた。令和にタイムスリップしてきた昭和のおじさん・市郎を演じた阿部サダヲはじめ、個性豊かなキャストに囲まれながら確かな存在感を放っているのが仲里依紗だ。
自身のYouTubeチャンネルでは、ざくっばらんな子育て話や密着に爆買いまで飾らない人柄で視聴者を楽しませている仲。そんなパブリックイメージとはがらりと印象を変え、シリアスな検察事務官で熱演を見せていた作品が「連続ドラマW テミスの求刑」(2015年)だ。
本作は司法制度をテーマにした推理小説を発表し続ける作家・大門剛明の同名小説をドラマ化したノンストップサスペンス。警官だった父親を殺された過去を持つ検察事務官・平川星利菜。車上荒らしの疑いで父親が事情聴取を行なった男・健太郎が逮捕され、刑も確定していた。彼を自白に追い込んだ検事・田島を尊敬しており、ともに仕事をするようになった今、日々やりがいを感じている。
しかし、ある日、健太郎が冤罪を主張して刑務所で自殺したことを知り、星利菜は弁護士殺しの容疑をかけられた検事と過去の冤罪事件の真相を解き明かしていく。「冤罪をどう償うのか」という現代社会に課せられたテーマを扱う社会派ドラマであり、2つの殺人事件の真実を追う法廷ミステリーでもある。
緊迫感漂うシリアスなトーンの作品で、仲は主人公の星利菜を演じた。彼女の父を殺した犯人が冤罪かもしれないという疑惑が浮上したことで、次々と新たな事件に巻き込まれていく。弁護士殺害事件の容疑者となった検事とともに、父親が殺された事件の真相と検事の殺人容疑の真相を暴くため、冤罪事件の闇に身を投じる難役に挑んだ。
法廷で犯人を睨みつける瞳に父親を失った悲しみ以上の強い怒りを滲ませ、冤罪の疑いに揺らぐ信頼と戸惑い揺れ動く心を繊細に表現する。張り詰めていく空気に声を震わせながらも、女神テミスのごとく自身の正義を胸に必死に前を向く。信じた道を貫く強さを感じさせる眼差しが印象に残った。
放送情報【スカパー!】
連続ドラマW テミスの求刑
放送日時:2024年4月13日(土)13:00~ ほか
チャンネル:WOWOWプラス 映画・ドラマ・スポーツ・音楽
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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