舘ひろし＆宅麻伸がW主演。石原プロ作品の貴重な人情派ドラマ「愛しの刑事」

1992年10月にテレビ朝日系で放送開始されたドラマ「愛しの刑事」は、石原プロモーションが制作し、同社の看板俳優である舘ひろしが主演した。石原プロの刑事ドラマといえば、「西部警察」や「ゴリラｰ警視庁捜査第８班」といったド派手なハードアクション路線が有名だが、俳優たちの演技合戦が見どころの人情派の刑事ドラマだ。舘と共にW主演という形で宅麻伸が出演しているほか、味わい深い演技で魅了するベテランの井上順、若手俳優として活躍していた坂上忍や石原プロ所属の谷川竜、女優陣では高樹澪をはじめ、グラビアアイドルとして当時人気絶頂だった細川ふみえらも顔をそろえている。さらに、石原プロの顔・渡哲也が高倉大介課長役で主演していることも見逃せない。

本作はバブル崩壊後に制作されたこともあり、予算的な制約あったためか劇中の刑事部屋や取調室、廊下など警察署内のシーンは当時の石原プロの事務所内にセットを組んで撮影されていた。だが、逆に人工的なライトの照明ではない自然光を生かしたライティングにより、リアルな画面になって演出面での効果をもたらした。石原プロの社内に画面を通して触れられることでも、貴重な作品であり、現在でもファンには根強い人気がある。

舘が演じる羽山了刑事は、城西署の刑事防犯課をリードする重要なポジションを担う。彼の相棒・川村丈彦刑事(宅麻伸)は、本庁の刑事だったが城西署の鑑識課員である父親が殺害されたために城西署の捜査に加わり、後に正式に城西署・刑事防犯課の一員に迎えられる。

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