麻生祐未が素人おばさん検事を熱演!時にイラっとさせるおばさんになりきった「特命おばさん検事!花村絢乃の事件ファイル」

素人検事の花村絢乃が鋭い勘とひらめきで難事件を解決していくミステリーシリーズ「特命おばさん検事!花村絢乃の事件ファイル」。2012年から2019年にかけて全6作が放送された人気シリーズを、日本映画専門チャンネルで6月29日(土)に5作までを一挙放送する。

主人公の絢乃は半年前に夫の借金と駆け落ちが原因で離婚し、現在は娘を育てるシングルマザー。マンションの頭金を出すという条件のもと、父親である雄一郎の手伝いをするパート感覚で、3年前から大学で法律学の准教授を務めていたが、雄一郎の死によって再び人生の大きな転機が訪れる。雄一郎とは学生時代から付き合いがあり、遺言を託された検事正の岡田幸喜(高橋英樹)が3年間の准教授経験を理由に検察庁法第18条の3を適用し、絢乃を検事に任命したのだ。

東京地方検察庁 刑事第一部に配属された絢乃だったが、特捜部長への昇進を時期尚早として岡田検事正に反対され、息子が新司法試験に落ちるなど、公私ともにうまくいっていない上司の須田武彦(正名僕蔵)からさっそく目の敵にされる。司法試験すら受けたことすらない全くの素人である絢乃を早期辞職に追いやるべく、須田から難事件を押し付けられるというのがシリーズ1作目の物語のあらすじになっている。

絢乃を演じるは麻生祐未。バイプレイヤーのイメージも強い彼女だが、近年は「テセウスの船」(2020年)で見せた怪演が話題になるなど、その高い演技力には定評がある名女優だ。

どこにでもいそうな普通のおばさんらしさをいかに表現できるかが鍵となるが、そこで麻生は見事な演技を見せている。例えば、特捜部で検事総長も夢ではないと噂されるエリート検事の有沢達郎(原田龍二)を落ちこぼれと勘違いして頓珍漢なアドバイスをしたり、飲食禁止の直告受理室にお菓子を持ち込んで食べたりするシーンがあるが、細かな所作なども含め見事なほどに厚かましい、いかにもおばさんな行動のイメージにぴったりなのだ。

一方で、ベテラン事務官の宇治谷巌(温水洋一)らと事件を捜査する時には、一般の検事にはない主婦の目線を生かした勘とひらめきで真相に迫る重要な手がかりを発見していく。このギャップが本作の面白さであり、見所といえるだろう。

シリーズを通して、おばさんらしさを全開にしながらも、検事として成長していく絢乃。時に見る者をイラッとさせるほど、見事におばさんになりきっている麻生の演技に注目しながら、本シリーズを楽しんでほしい。

文=安藤康之

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放送情報【スカパー!】

特命おばさん検事!花村絢乃の事件ファイル(主演・麻生祐未)
放送日時:6月29日(土) 12:00~
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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