板谷由夏がコロナ禍に沈んでいく女性役で魅せた、ルックスを超越した鬼気迫る演技で作品に与えた「リアルさ」

映画、ドラマ、舞台、CMなど数々の作品に出演し、2023年には連続ドラマ初主演を務めるなど、俳優として一層脂がのってきた板谷由夏。クールで美しいルックスから、きれいで強い女性を演じることが多い彼女だが、最近では鬼気迫る体当たり演技を披露しており、芝居に対する圧倒的な熱量を発散し始めた印象がある。

前述した連ドラ初主演作では、娘を殺された母親役で「なにがなんでも復讐を果たす」という思いに捕らわれた女性を熱演。「板谷がここまで泥臭い演技をしてくれるのか」と驚いた視聴者も少なくなかっただろう。モデル出身の彼女は、立ち姿がどうしても凛々しく品があるため、キリッとした強くカッコいい女性役は適任なのだが、汚れてやつれた惨めな役にとっては、そのルックスが"足かせ"になるになることも。しかしながら、ルックスの"足かせ"を圧倒する演技を見せてくれている、彼女の熱のこもった演技をより堪能できる作品が、2022年に公開された映画「夜明けまでバス停で」だろう。連ドラとはまた違った、よりディープな世界へ連れて行ってくれる。

「夜明けまでバス停で」より
「夜明けまでバス停で」より

(C)2022「夜明けまでバス停で」製作委員会

同作品は、2020年に起こった東京・渋谷ホームレス殺人事件に着想を得たもので、孤独な中年女性がコロナ困窮と社会的孤立に飲み込まれていく姿を描いた問題作。自作アクセサリーを販売し、夜は居酒屋で住み込みのパートとして働いている北林三知子(板谷)は、突然訪れたコロナ禍により、仕事も住む家も失ってしまう。新しい仕事は見つからず、行き場をなくした彼女が辿り着いたのはバス停だった。ある夜、三知子がバス停で眠り込んでいると、そこを通りかかった男が、拾った石の塊を三知子の頭めがけて振り下ろそうとする。

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放送情報【スカパー!】

夜明けまでバス停で
放送日時:2024年6月5日(水)18:25~
チャンネル:WOWOWプライム
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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