若き菅原文太が、コンプラゼロの映画「まむしの兄弟  お礼参り」で大暴れ!

ドラマや映画を見ていると、頭の中のどこかに「コンプライアンス」の文字がこびりついていて、「こんな表現して大丈夫なの?」、「このシーン放送したら問題になりそう」と勝手に心配することがある...という人もいるだろう。

だが、6月16日(日)に、日本映画専門チャンネルで放送される映画「まむしの兄弟  お礼参り」を見るときだけは、そんな心配をとっぱらって見てほしい。とにかくハチャメチャだ...。ハチャメチャだけど、引き込まれて、目が離せなくて、胸が踊る。

1971年に公開された同作は、「仁義なき戦い」や「トラック野郎」シリーズなどで知られる菅原文太と、石原裕次郎にスカウトされ、数々のヒット作に出演した川地民夫が、愚連隊兄弟を演じる「まむしの兄弟」シリーズ第2弾である。

刑務所にいた政太郎(通称:ゴロ政/菅原)と弟分の勝次(通称:不死身の勝/川地)は、同部屋だった京一(久保浩)から、藤島一家を構える父が、対立する兵頭(遠藤辰雄)に殺されたと聞かされる。京一は刑務所からの脱走を試みるも失敗。大怪我を負ってしまう。そんな彼の無念を晴らすべく、出所した政太郎と勝次が藤島一家のために動く!

いわゆる「愚連隊もの」や「ヤクザもの」は、争いごとを発端に血で血を洗う抗争劇が繰り広げられる、というイメージがあるだろう。確かに「まむしの兄弟」シリーズも平気で殺戮を繰り返したり、人間から生々しい血が吹き出たり、そのパンチの強さに圧倒されてしまう。「コンプライアンス」の「コ」の字もないため、非現実の「ファンタジー映画」として楽しむ人も出てくるかもしれない。

ただ、本作の見どころは喧嘩や抗争シーンだけではない。任侠映画の主人公にもかかわらず、どこか「カッコがつかない」政太郎に親近感が湧くのだ。「京一の姉・あき(工藤明子)に会う前に大量の香水をふって気に入られようとする」、「大男と喧嘩になるが、コテンパンにやられてしまう(最強の男というわけではない)」など、政太郎にはいい意味での「隙」があって、そこが愛すべきポイントとなる。小気味いい勝次のツッコミやリアクションも相まって、クスッと笑ってしまうシーンも多々あるのだ。

「まむしの兄弟」を通して、なぜ当時を生きる人が「俳優・菅原文太」に心酔したのかがよく分かった。菅原の演技は、演じる役柄を「愛されるキャラクター」に昇華する。もちろん、そこには「誰もが憧れるカッコ良さ」が内包されているが、演じる人物が人間臭くて魅力的に映り、あっという間に好きになってしまうのだ――。

「まむしの兄弟 お礼参り」は、そんな菅原の巧みな演技を堪能できる作品である。「カッコ良さ」と「可愛らしさ」が同居する政太郎に注目しつつご覧いただきたい。

文=浜瀬将樹

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放送情報【スカパー!】

まむしの兄弟 お礼参り
放送日時:6月16日(日) 21:00~ほか
放送チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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