「アンナチュラル」(2018年)や「MIU404」(2020年)など数々のヒットドラマの脚本家として注目を集める野木亜紀子。その2作でタッグを組んだ塚原あゆ子監督×新井順子プロデューサーの強力チームが手がけた映画「ラストマイル」が8月23日(金)より公開される他、10月期のTBS日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」も控えるなど、野木は"今最も新作が期待される脚本家"の一人だ。
そんな野木の"原点"ともいうべき脚本デビュー作が、8月7日(水)に日本映画専門チャンネルにて放送される、「第22回フジテレビヤングシナリオ大賞」に輝いた2010年のドラマ「さよならロビンソンクルーソー」。金銭でつながった2組のカップルを通し、"愛とは何か"を探求する群像劇だ。
清掃作業員の慶介(田中圭)は、薄給の大半を恋人・美也(蓮佛美沙子)に渡す日々。自傷行為をした美也が運ばれた病院で看護師・ハナ(菊地凛子)に出逢った慶介は、バンドマンの成雪(綾野剛)に貢ぐ彼女に共鳴するが、無償の愛を捧げる彼らに転機が訪れる。
ゴミ清掃員の主人公・慶介を演じる田中は、後に「図書館戦争」シリーズや「獣になれない私たち」(2018年)など野木脚本を広く知らしめるヒット作品に出演する、いわば"野木組の常連俳優"。今作でも、リストカット癖のある彼女のために毎月15万円を与える健気な青年役がハマっている。
大変な仕事だが不満も言わず黙々と働き、美也とのささやかな幸せを守るために尽くす慶介。その危うさと懸命さを、当時20代半ばの田中圭が初々しくピュアに演じていて、胸が切なく締め付けられる。終盤、美也の何気ないひと言から自分の本心に気付いた慶介が涙をポロポロとこぼすシーンは、リアリティのある繊細な演技が秀逸だ。
放送情報【スカパー!】
さよならロビンソンクルーソー
放送日時:2024年10月28日(月) 7:45~ ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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