仲間由紀恵阿部寛のシュールなコンビは相変わらず!田舎なまりの若者を演じた佐藤健にも注目の「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」

深夜ドラマから始まり、劇場版が4作も制作された「TRICK」はオカルト・謎解き・小ネタありのコメディなど様々な要素がごった煮にされた作風や構成も新しく、今なお多くの人に愛され、その後のドラマにも少なからず影響を与えたレジェンド的作品といっていいだろう。

自称、売れっ子美人マジシャンだが、実は家賃の支払いにも困っている山田奈緒子を演じた仲間由紀恵と、自称、天才物理学者だが、実は見栄っ張りで気が弱い日本科学技術大学の教授・上田次郎を演じた阿部寛の凸凹コンビは大人気で、本作がキッカケで大ブレイクすることになった。

奈緒子(仲間由紀恵)、上田(阿部寛)、翔平(佐藤健)をはじめバトルロワイアルの参加者たち
奈緒子(仲間由紀恵)、上田(阿部寛)、翔平(佐藤健)をはじめバトルロイアルの参加者たち

⒞2010「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」製作委員会

2000年から放送がスタートし、2014年公開の「トリック劇場版 ラストステージ」まで監督を務めたのは堤幸彦。撮影はアドリブだったというから驚かされるが、そういう自由な空気が、主演の2人のみならず、奈緒子の母・山田里見を演じた野際陽子や、事件があると必ず現れる警視庁公安部のへっぽこ刑事・矢部謙三を演じた生瀬勝久らキャストの魅力を引き出したのかもしれない。

シリーズ10周年を迎えたタイミングで公開された本作は、万練村(まんねりむら)という村から来たなまりのある素朴な青年・中森翔平(佐藤健)に「インチキ霊能者を暴いてほしい」と依頼された上田と再び仕事をクビになった奈緒子が村で遭遇し、山奥の村で繰り広げられる霊能力者バトルに巻き込まれるというストーリー。「トリック」ファンの期待を裏切らないシュールな展開と、役になりきった仲間と阿部、そして、妖術を使う男として松平健、ギターを持った不死身男として藤木直人らの演技にも注目だ。

■上田が持っている人形や、バトル合戦などいろいろ衝撃的

⒞2010「劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル」製作委員会

物語の冒頭で、上田の元に翔平が「村の天変地異や災いをおさめてきた霊媒師"カミハエーリ"選びに協力してほしい」とお願いしに来た時、上田はなぜか赤ちゃんサイズで上田そっくり人形(台本にはなかったとか)を常に抱いて腹話術のように答えており、上田のシュールさに磨きがかかっている。

そして、「トリック」のお約束で奈緒子がアパートの部屋でチキンラーメンを食べていると、上田から依頼の電話が入り、一度は断るものの、雇い主(河本準一)に霊能力大会に参加して褒美の財宝を手に入れる事を薦められ、結局はお金に目がくらんで依頼を受ける...。

また、相変わらずのポンコツな上田と、奈緒子が貧乳をいじられるネタはもちろん、決めゼリフ「お前のやったことは全てお見通しだ!」(エピソード毎にアレンジがある)も登場する。

そして、舞台は怪しげな万練村。繰り広げられる"霊能力者バトルロイヤル"に参戦するのは、インチキを暴くまでもない怪しげなキャラクターたちばかりだった。村人の1万円札を千円札に変える、せこい手品を披露している奈緒子を忌々しそうな目で見る上田と、そんな上田を舌打ちしそうな表情で見る奈緒子だが、結局2人は共謀することになる。

■後半はアクションシーンも。仲間と阿部の見せ場盛りだくさん

江戸時代の設定の中、仲間が水芸に挑戦し、妖術使いに火で襲われるオープニングも伏線として後半に活かされている。

参戦者が次々に謎の死を遂げる中、翔平とその幼なじみ・高階美代子(夏帆)との関係や複雑な村事情も絡み、ついに奈緒子は妖術使い・鈴木玲一郎(松平)と対決。絶対絶命の危機に晒される。

村人たちに襲われ、闘う上田のギャップ満載のアクションシーンや、村人たちに「ついてこい」と仕切る奈緒子の本領発揮のシーンなど見どころは満載。お互いが素直になれない"名(迷?)コンビ"、仲間と阿部にしか演じられないクセ強めの役を楽しんでほしい。

文=山本弘子

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放送情報【スカパー!】

劇場版TRICK 霊能力者バトルロイヤル
放送日時:9月14日(土)21:15~ほか
放送チャンネル:WOWOWプラス
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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