黒木瞳と石田純一が共演でドロドロの愛憎劇を展開するドラマ「愛と憎しみの河」

1988年にTBS系で放送されたドラマ「愛と憎しみの河」は、大映テレビが制作した同社お得意のドロドロ愛憎劇。同年に男女3人の渦巻く愛と憎悪を描いた人気ドラマ「愛と復讐の海」がヒットし、その姉妹編として作られた。前作は浅野ゆう子と京本政樹が主演し、トレンディドラマ全盛期を彩った華のある2人が演じたが、本作は黒木瞳と石田純一が共演。哀しい運命に翻弄される美しいヒロインを黒木瞳が、彼女と仲を裂かれる恋人役を石田純一が熱演している。石田は同年に放送された「抱きしめたい！」(フジテレビ系)が、W浅野ブームで話題を呼び、人気絶頂だった。黒木瞳も1986年公開の映画「化身」での初主演を機に頭角を現していた頃。そんな2人を主軸に据えて、前作以上に力を入れて制作された作品だった。

二人の仲を引き裂く兄妹役を宅麻伸と岡本舞が演じているが、宅麻も当時から「徳川家康」(1983年)、「独眼竜正宗」(1987年)など大河ドラマの常連であり、俳優として注目され始めていた。岡本は仲代達也が主宰する養成所「無名塾」の出身で、その演技力を高く評価され、ちょうど1988年は「3年B組金八先生」(TBS)第3シリーズにも教師役でレギュラー出演している。本作はそんな4人の魅力的な俳優の演技合戦が楽しめる一作だ。

ストーリーは、同じ病院に勤務し、結婚を誓う医師と看護婦のカップルを軸に展開する。医師に惹かれている病院長の娘は親の力を使い、看護婦に興味のある病院長の息子は力ずくで2人の仲を引き裂こうとするが...という物語だ。

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