上野樹里が主演を務め、林遣都と初共演を果たしたのが、映画「隣人X 疑惑の彼女」だ。原作は「第14回 小説現代長編新人賞」を受賞した、パリ在住のパリュスあや子の小説「隣人X」。監督は熊澤尚人が務め、上野とは「虹の女神 Rainbow Song」(2006年)、林とは「ダイブ!!」(2008年)以来のタッグとなった。
本作で上野が演じているのは、アルバイトで生計を立てている36歳の柏木良子。そして林が演じるのは、週刊誌の記者・笹憲太郎だ。紛争によって惑星を追われた地球外生命体「惑星難民X」を受け入れることになった日本を背景に、何も繋がりがなかった2人が翻弄されることになる。人間に擬態化できるXがどこに紛れ込んでいるかは誰にもわからないという状況の中で繰り広げられていく物語は、SFのエッセンスがありながら、描かれているのは"情報社会の中で時に溺れそうになる人間の姿"だ。何が本当で何がフェイクなのか判別し難い世の中で、他人と自分を比べたりせずに穏やかな日常を過ごしている良子と、社会派の記事を書きたいという夢を抱いてメディアの世界に飛び込んだものの現実とのギャップに葛藤する記者の憲太郎。上野と林は、若き日の自分を知っている監督と時間を忘れて作品について語り合い、アイディアを重ね、役作りをしていったという。さまざまな角度から見られる本作で難役に挑んだ上野と林の演技に注目したい。
■良子の心情を体現する上野の細やかな演技が秀逸
放送情報【スカパー!】
隣人X 疑惑の彼女
放送日時:2024年10月25日(金)12:50~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます
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