大映テレビが制作し、1970年代に一世を風靡したTBS系ドラマが「赤いシリーズ」だ。当時のトップアイドルだった山口百恵と俳優の宇津井健がシリーズの顔とされ、1980年に放送された最終作の「赤い死線」は百恵の引退作品ともなった。そんな赤いシリーズの中でも、平均視聴率25.5%、最高視聴率37.2%と最高の数字を記録したのが、第5作「赤い激流」である。
本作は"父と息子の愛"と"師弟愛"を軸にする、それまでのシリーズにはないテーマが特徴的で、音楽大学のピアノ科助教授である大沢武(宇津井健)と、街のスナックでピアノを弾く貧しい青年・田代敏夫(水谷豊)が主人公。2人が親子として、師弟として激しく争いながらも和解し、音楽の本質を追求していくという物語だ。なお、山口百恵は特別出演という形で武の娘・紀子役でキャスティングされているものの、ほとんど登場しない。水谷豊が事実上の主役であり、型破りな青年という設定。さらに後半ではサスペンス要素が強まるなど、赤いシリーズ中でも異色の作品とされている。
序盤のストーリーを紹介しよう。宮島音楽大学のピアノ科助教授・大沢武(宇津井健)は初恋の人である未亡人の田代弓子(松尾嘉代)と再婚することになった。弓子の息子・敏夫(水谷豊)は才能豊かなピアニストで、武も彼の才能にほれ込む。敏夫の指導を買って出た武だったが、自殺したといわれている実父の田代清司(緒形拳)と武がライバルであったと知り、敏夫は猛反発する。武はそんな敏夫の態度に悩むが、指揮者である弟の実(石立鉄男)に励まされながら、彼に正統的なピアノを教えることに成功。敏夫は宮島音大で学ぶことになる。
だが、学長の孫娘・宮島華江(竹下景子)に近づくなど、型破りな行動を見せる敏夫の存在は、大学後継者問題と絡んで周囲に波乱を巻き起こすのだった。さらに、死んだといわれていた敏夫の父・清司が生きていたことで、敏夫の人生は大きく揺れ動いていく...。
放送情報【スカパー!】
赤い激流
放送日時:12月20日(金)04:00~ 毎週(月)-(日) [2話ずつ]
放送チャンネル:TBSチャンネル2 名作ドラマ・スポーツ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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