佐々木蔵之介横山裕の対照的なキャラクターの掛け合いが魅力的!アクションシーンにも注目の「破門 ふたりのヤクビョーガミ」

佐々木蔵之介と横山裕がW主演を務めた「破門 ふたりのヤクビョーガミ」
佐々木蔵之介と横山裕がW主演を務めた「破門 ふたりのヤクビョーガミ」

佐々木蔵之介がヤクザ・桑原保彦を演じ、横山裕が覇気なし、やる気もなしの建設コンサルタント・二宮啓之を演じてW主演を務めたコミカルアクション映画が「破門 ふたりのヤクビョーガミ」(2017年)だ。
原作は黒川博行の小説で、暴力団員幹部と建設コンサルタントがコンビを組むハードボイルド「疫病神シリーズ」の第5作「破門」。「マエストロ!」の小林聖太郎がメガホンをとった。そんな本作の面白さは、ある事件に関わることになった主人公2人のボケとツッコミの軽妙なやりとりと、巻き込まれ型のストーリーにある。二宮を演じた横山も、原作を読んだ段階で会話のテンポの良さに引き込まれたという。

また、京都府出身の佐々木、大阪府出身の横山を含め、ほとんどのキャストが関西出身というのも本作の特色だ。「結局、あの男(桑原)のことが好きやねん」と二宮に言う従姉妹の悠紀を兵庫県出身の北川景子が、事件の発端になる映画プロデューサーの小清水を大阪府出身の橋爪功が、桑原が所属する二蝶会の若頭・嶋田を大阪府出身の國村隼が、桑原が手を出したことでトラブルに発展する滝沢組の組長を京都府出身の宇崎竜童が演じている。

互いに「疫病神」だと思っている桑原と二宮の凸凹コンビは、降りかかった災難をどう切り抜けるのか。佐々木と横山の意外性ありの役柄と演技に着目したい。

■佐々木と横山の対照的すぎるキャラと"阿吽の呼吸"なやりとり

小説「疫病神」シリーズの中から、直木賞を受賞したことでも知られる第5作を映画化したのが本作。関西屈指の「二蝶会」のヤクザ・桑原と、"サバキ"と呼ばれる建設現場での暴力団対策の仕事を生業としている貧乏でぐーたらな二宮。2人が腐れ縁の関係であることが従姉妹の悠紀との会話から語られ、2人はサバキを題材にした映画を企画しているプロデューサー・小清水に会いに行くことになる。

その後、2人は映画の資金を集めている小清水に翻弄されることになる。滝沢組の子分の態度で頭に血が上った桑原が目の前で乱闘が起こしても、「俺まで仲間だと思われるじゃないですか」と冷めている二宮は、趣向からして桑原とは対照的な存在。着るもの自体に興味がなさそうな二宮に対して、桑原は銀縁メガネにイタリアンマフィア風のスーツを身に纏い、車の中でスイートソウルの洋楽を聴いている。

小清水の行方が掴めなくなり、こじれにこじれた事態の中、桑原と二宮はマカオまで飛ぶことになる。しかしそこでも、アロハシャツを着て空港に来る桑原に突っ込みを入れる二宮と、やりとりがまるで阿吽の呼吸の漫才コンビのようだ。

■飛び蹴りなど、佐々木のアクションシーンも見どころ

滝沢組の連中に包丁を突きつけられ、瞳孔開きまくりで立ち向かっていく場面や、騙されたことへの落とし前をつけるために身体を張って戦うシーンなど、佐々木がキレキレのアクションを披露しているのも本作の注目ポイントだ。普段の佐々木の知的で温厚なイメージを覆す暴れっぷりが実に爽快で、先述のファッションアイテムも乱闘で活躍。本作の本当の意味での「疫病神」とも思わせられる小清水に報復する演技も含め、佐々木の生き生きとした表情が役のキャラを際立たせている。

そして後半では、横山が意外な行動に出る見せ場も。「このコンビ、クセになる」と思わせてくれる映画に仕上がっている本作を、佐々木と横山の対照的な役柄に注目しながら見てほしい。

文=山本弘子

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放送情報【スカパー!】

破門 ふたりのヤクビョーガミ
放送日時:2024年12月8日(日)7:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます

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