妻夫木聡と竹内結子が描き出した美しくも儚い悲恋の物語...三島由紀夫原作「春の雪」

三島由紀夫の長編小説「豊饒の海」4部作の第1部で、侯爵家の子息と伯爵家の令嬢との悲恋の物語を描いたのが「春の雪」だ。同作は1969年には舞台化、1970年にはテレビドラマも放送された。そして2005年には、妻夫木聡と竹内結子の主演で映画化。監督は「世界の中心で、愛をさけぶ」、「ナラタージュ」でお馴染みの行定勲が務めた。

本作の舞台は、まだ日本に華族や爵位があった大正初期。侯爵家の子息・松枝清顕(妻夫木)と伯爵家の令嬢・綾倉聡子(竹内)は、幼なじみであり、互いに惹かれ合う関係だった。しかし、清顕はその想いを聡子に上手く伝えることが出来ずにいた。そんな中、政略結婚のために、聡子に宮家の洞院宮治典王(及川光博)との縁談が決定してしまう。一度はすれ違ったものの、離れたことで互いの愛情を再認識した2人は、人目を忍んで密会を重ね始める。しかし、それは悲劇の幕開けでもあった...。

■若さゆえにすれ違う2人の関係を、妻夫木と竹内が好演

この記事の全ての画像を見る