• いいね
  • コメント
  • ブックマーク

広瀬すず×木戸大聖×岡田将生が挑んだ感情へのアプローチ 『ゆきてかへらぬ』で描かれた歪な三角関係を語る

俳優

999 999 999
映画『ゆきてかへらぬ』出演の木戸大聖、広瀬すず、岡田将生
映画『ゆきてかへらぬ』出演の木戸大聖、広瀬すず、岡田将生

映画『ゆきてかへらぬ』が2月21日(金)より、TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開される。同作は大正時代から昭和初期の京都と東京を舞台に、実在した女優・長谷川泰子と詩人・中原中也、文芸評論家・小林秀雄という男女3人の愛と青春を描いている。

主要キャストとして泰子役の広瀬すず、中也役の木戸大聖、小林役を岡田将生が出演。泰子を中心とした複雑で歪な三角関係をどう演じたのか。それぞれの役へのアプローチについても聞いた。

――それぞれ演じられた人物の印象について聞かせてください

木戸「やっぱり今も支持されている天才詩人ではあるのですが、調べていくうちに、目上の人に対してガツガツと相手の陣地に踏み込んでいく一方で、孤独で、相手にされないこともあるような傍若無人な部分が見えてきました。でも、この2人との出会いは、中也にとって理解してくれる人が現れたんだと。強く見せかけているけど、実際はとても繊細で孤独な人物だと感じました。それでいてすごくストレートな人。そこは今までにない役柄で新鮮でしたね」

広瀬「子供の頃から周りにあまり人がいない環境で育って、自分も一度は女優という夢を見たものの、2人の才能には勝てず、もがいているうちに2人の天才に囲まれていることで自分が削られていくような、何か欠けていく感覚がありました。その中で、依存や執着がどんどん強くなっていって、マインドコントロールが不器用で上手くできないという感じもあって。でも、そうしたところが魅力でもあり、危うさを感じさせる部分だなと思うんです。そこに、少し色っぽい瞬間があったりして、非常に不思議なバランス感を持っている人物だなと思いました」

岡田「根岸監督からたくさん資料をいただいて読んだのですが、とにかく破天荒だったという点が非常に印象的でした。破天荒という言葉だけでは足りないほど、たくさんの逸話があるのですが、なかなか一言ではつかみきれない人物です。だからこそ、今回の役作りでは特になかはら中也の目線を外さないようにすることが重要だと感じて、それが役作りに繋がったのかなと思っています」

映画『ゆきてかへらぬ』に出演した3人(左から木戸大聖、広瀬すず、岡田将生)
映画『ゆきてかへらぬ』に出演した3人(左から木戸大聖、広瀬すず、岡田将生)

――中也と小林という立場で泰子の魅力についてはどう思われましたか?

木戸「中也としてとなると、これは小林さんに対しても同様かもしれないんですけど、やっぱり自分の詩を支持してくれたという点と、自分の詩が生まれる根源となり、エネルギーとなった、欠かせない存在だったんだと思います。それは一緒にいる時もそうですし、小林のもとに行って喪失感に襲われている時も。そもそもその隣にいる泰子という存在自体が、いろんな詩を生むための引き出しを作ってくれたのかなと思います」

映画『ゆきてかへらぬ』で詩人・中原中也を演じた木戸大聖
映画『ゆきてかへらぬ』で詩人・中原中也を演じた木戸大聖

岡田「これが正しいかどうかはわからないのですが、泰子さんの芸としての才能は認めていて、その存在を理解しているという前提がまずあって、その中で中也の才能を誰よりも小林さんが理解していると思うので、2人の関係を崩すことによって、中也も泰子の才能も、もしかしたらまた違った形で開花するのではないか、というふうに少し思っていたのかもしれません。人間性としても泰子さんはおそらく目が離せないほど魅力的だったので、もちろん非常にセンシティブで扱いにくい部分があったにせよ、どうしても一緒の空間にいると、そのフォーカスが中也に向かってしまうという部分はあったのかなと思います」

映画『ゆきてかへらぬ』で文芸評論家・小林秀雄を演じた岡田将生
映画『ゆきてかへらぬ』で文芸評論家・小林秀雄を演じた岡田将生

――広瀬さんは2人の男性の心を掴むほどの泰子の魅力についてどう思われますか?

広瀬「魅力なのか、こちらの執着を押し付けてるのかわからないですけど、なんかあるんでしょうね(笑)」

木戸「言葉にできないものだよね」

広瀬「そうだね。泰子はなかなか出会わないタイプの人で、品がないようで、実はいい品を出しているんですよ。多分、醸し出している何かが、色っぽさや危うさに繋がったり、一瞬で雰囲気が変わるような何かを持っているように感じています。自分自身でも、どれが本当なのかいまいちわかってないと思うんです。いろんなエネルギーが交じり合っているような感じで、すごく不思議な人ですよね」

映画『ゆきてかへらぬ』で女優・長谷川泰子を演じた広瀬すず
映画『ゆきてかへらぬ』で女優・長谷川泰子を演じた広瀬すず

――泰子も女優として活動していますが、女優として憧れる部分はありましたか?

広瀬「女優役ではあったものの、女優としてどうこうというよりも、天才2人に対して『自分も何かで勝ってやる』みたいな、天才になりたかった自分への憧れが強かった気がします。時にはよくないこともあるかもしれないんですけど、それゆえの強気な部分がたまに出てる。でも、あれくらいの気持ちがないとできないことなのかなって。そこはすごく清々しいですよね」

この記事の全ての画像を見る
次のページへ
  1. 1
  2. 2
  1. 1
  2. 2

映画情報

映画『ゆきてかへらぬ』
2025年2月21日(金)公開
監督:根岸吉太郎 脚本:田中陽造
出演:広瀬すず、木戸大聖、岡田将生ほか
(C)2025「ゆきてかへらぬ」製作委員会 配給:キノフィルムズ

詳しくは
こちら

Person

関連人物

Comment

コメント