
ブラックジョークやバイオレンス描写満載の独自の視点で本能寺の変を映画化した「首」(2023年)も記憶に新しい北野武監督。世界的に評価される巨匠が改めてその才能を世に知らしめたのが、日本の配信映画として初めて「ベネチア国際映画祭」のアウト・オブ・コンペティション部門に正式出品された「Broken Rage」だ。

(C) 2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
2月14日(金)からPrime Videoで配信中の「Broken Rage」は、北野が監督・脚本・主演を務め、"暴力映画におけるお笑い"をテーマに制作した実験作。型破りな演出と予測不能な展開が満載の常識に囚われない作風で、「ベネチア国際映画祭」でも北野が制止しないと止まないほどのスタンディングオベーションで迎えられた。

(C) 2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
殺人の容疑で警察に捕まった主人公の殺し屋・ねずみ(ビートたけし)は、罪を見逃す代わりに警察のスパイとして麻薬組織への潜入捜査を強いられてしまう。男たちの欲望が渦巻く裏社会を舞台に、高い能力を武器に殺し屋として暗躍してきた男と麻薬売買を取り仕切るヤクザ、さらには犯罪撲滅へ躍起になる警察の三つ巴の攻防戦が繰り広げられる。

(C) 2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
映画について「パロディ映画を作る時は、基本的にみんながよく知っている映画が元にならないといけない。でも、それだと自分の作品にならないので、たたき台となる作品から自分で作ってみた」と北野が語ったように、約60分の映画を前後半に分け、前半と後半で同じ物語を繰り返すセルフパロディの構図が特徴だ。
前半は警察とヤクザの間で板ばさみになった殺し屋が生き残りをかけて奮闘する骨太のクライムアクションとして、後半は同じ物語をなぞりながらもコメディとして描く。お笑いの頂点に君臨し続けながら映画監督としても活躍する北野だから作れたといっても過言ではない。
(C) 2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
(C) 2025 Amazon Content Services LLC or its Affiliates.
"監督・北野武"としてユニークな作品を作り上げると同時に、"主演・ビートたけし"としても存在感を放っており、これまでの北野映画で見せてきたような裏社会の人間としてのすごみを感じさせたかと思えば、茶目っ気たっぷりに笑いを生み出す嬉々とした様子まで、その姿には"らしさ"が存分に感じられる。
<配信情報>【Prime Video】
「Broken Rage」独占配信中
詳しくは
こちら
コメント