2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪への出場を巡る熾烈な日本代表選考レースが行われているカーリング。今年9月に開催される代表候補決定戦に臨むチームへの注目は高く、特に女子は五輪2大会連続メダル獲得中のロコ・ソラーレを含む三つ巴の戦いが繰り広げられるとあって、熱い視線が集まっている。

ロコ・ソラーレの躍動もあり、これまでは"4年に一度のブーム"だった人気が、徐々に定着してきているカーリング。"氷上のチェス"と言われ、知力、体力、チームワークが必要とされるこの競技の面白さや熱さが詰まった作品が、昨年に公開された本田望結の主演映画「カーリングの神様」だ。

映画「カーリングの神様」本田望結×川口ゆりなインタビュー

4月11日(金)にＷＯＷＯＷシネマにて放送される本作は、本州最古にして日本で唯一民間運営されるカーリング専用施設・カーリングホールみよたを持つ長野県・御代田町を舞台に、カーリングに情熱を傾ける女子高生たちの青春を描く。

御代田町の高校に通う香澄(本田望結)は、小学生時代に幼なじみと組んだカーリングチーム"みよステラ"での優勝経験を持つが、チーム解散に伴いカーリングからも距離を置き、くすぶった日々を送っていた。そんな御代田町でのカーリングの国際大会開催が決まり、香澄は強豪選手と戦えるエキシビジョンマッチ出場を目指し、かつての仲間とチームの再結成。しかし、現在も隣町・軽井沢の強豪チームで選手を続ける舞(川口ゆりな)に参加を断わられてしまい、仕方なくカーリング未経験の転校生・実乃梨(長澤樹)をチームに加えることに。

主人公を演じる本田といえば、同じ氷上を戦いの舞台とするフィギュアスケーターでもあるが、本作ではカーリングシューズに履き替え、イチから競技にチャレンジ。クランクイン前の1ヶ月間、カーリングのプロ選手から特訓を受けて撮影に臨み、試合のシーンなど劇中でも実際にプレイしている。

そんな役づくりの甲斐もあり、ストーンを投げる際の姿勢や真剣な眼差しなど、チームの司令塔となるスキップのポジションを担うキャラクターを、説得力を持って演じている。また、冒頭の目標を失った覇気のない様子からチーム内の不和といった次々と浮上する問題に頭を悩ませる不安げな姿、情熱を取り戻していくやる気に満ちた表情など、女子高生の感情の動きと成長も丁寧に表現している。