
1995年に発生した阪神淡路大震災の後、村上春樹が著した4つの連作短編を、岡田将生、鳴海唯、渡辺大知、佐藤浩市の4人で各話ドラマ化した土曜ドラマ「地震のあとで」が、4月5日(土)よりNHK総合で放送される。
脚本は映画「ドライブ・マイ・カー」(2021年)の大江崇允、演出はドラマ「その街のこども」(2010年、NHK総合)、「あまちゃん」(2013年、NHK総合)で震災を描いてきた井上剛が担当。舞台の設定を、1995年だけでなく2025年にいたるまでに置き換え、"今"に続く"地震のあと"の30年の時間を紡いだ全4話に仕上がっている。♯1「UFOが釧路に降りる」の主人公を演じるのが、村上春樹の原作は「ドライブ・マイ・カー」以来2度目となる岡田将生だ。「特別な時間だった」と語る本作への挑戦は彼にとってどんなものだったのか、撮影を振り返ってもらった。

(C)NHK
――――本作で岡田さんが演じる夫・小村は、阪神淡路大震災のニュースを見続けていた妻・未名(橋本愛)が突然姿を消してしまいます。茫然自失の中、中身の不明な"箱"を後輩から託されて北海道・釧路で女性2人と奇妙な旅をする役どころですね。
「村上春樹さんの原作は2回目で、前回演じさせていただいたときもそうだったのですが、"答え"というものがないんですよね。撮影が終わったにもかかわらず僕もまだ全てを理解できていないというか、いまだに頭の中で難解な思考の旅を続けている感覚があって...。自分の答えが出ないまま皆さんに提示するのがいいのかどうか、そんな迷いもあるのですが、人とは何か、人生とは何なのかというのを見た方にも問いかけるような作品になっていると思いますし、そういう風に見ていただけたらうれしいです」
――――"答え"のない作品に挑むというのは、改めて、ご自身にとってどういう体験でしたか?
「台本を読んでいても答えが見つからないまま日々時間が過ぎていく...。自分にとっても小村にとっても、行き着く先に何があるのか―道筋が掴めないけど前を見据えて立ち続けなければいけないというのは心身共に"くる"ものがありました。分からないまま進む楽しさももちろんありますが、明確に"切り取れた"という感覚がなく、あれは果たして正解だったのか...と悩みながらやっていると心も体もどこか不安定になるというか。信頼するスタッフさんや共演者の方々に助けてもらい、支えていただきながら撮影に臨んだ日々が懐かしいです」

放送情報
土曜ドラマ「地震のあとで」#1「UFOが釧路に降りる」
放送日時: 4月5日(土)22:00~
チャンネル: NHK総合
※全4話。4月26日(土)まで毎週(土)22:00に放送予定
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