草なぎ剛が体現した復讐心と武士の生き様!清原果耶との「父娘の絆」も話題を呼んだ映画「碁盤斬り」

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「碁盤斬り」 (C)2024「碁盤斬り」製作委員会
「碁盤斬り」 (C)2024「碁盤斬り」製作委員会

トランスジェンダーとして生きる主人公の孤独と葛藤を体現した「ミッドナイトスワン」(2020年)では、第44回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を獲得した草なぎ剛(※「なぎ」は正しくはゆみへんに「剪」)。それからも話題作への出演を重ね、世界的ヒットを果たしたNetflix映画「新幹線大爆破」(2025年)では乗客を守るために奮闘する車掌を好演するなど、俳優としての快進撃が止まらない。

そんな草なぎが白石和彌監督と初タッグを組んで、武士の誇りを懸けて復讐に立ち上がる主人公を並々ならぬ気迫と共に演じたのが「碁盤斬り」(2024年)だ。6月15日(日)にWOWOWシネマで放送される本作は、古典落語として長く親しまれてきた「柳田格之進」をベースにした時代劇。「孤狼の血」(2018年)などパワフルな作品群で知られる白石監督が、「十一人の賊軍」(2024年)に先立って初の時代劇を手がけた作品となる。

草なぎ剛主演×白石和彌監督のタッグで映画化された「碁盤斬り」
草なぎ剛主演×白石和彌監督のタッグで映画化された「碁盤斬り」

(C)2024「碁盤斬り」製作委員会

「ミッドナイトスワン」以来、約4年ぶりに主演を務めた草なぎが演じたのは、浪人の柳田格之進。格之進は身に覚えのない罪をきせられた上に妻も喪い、娘のお絹と二人で江戸の貧乏長屋で暮らしている。ある日、旧知の藩士によって悲劇の冤罪事件の真相を知らされた格之進とお絹は、復讐を決意。父と娘の誇りをかけた闘いが始まる...。

決しておごらず、何事にも正しくあろうとする格之進。静かな佇まいや背中からも、彼の不器用なまでの真っ直ぐさが伝わる。貧しい生活をしながらも、品格と誇りがにじむその姿は惚れ惚れとするほど美しい。ケチな両替商だった萬屋源兵衛もその心意気に胸を打たれ、性格や商売への向き合い方を改めていく様子が何とも爽快で、周囲を動かしていく格之進の説得力まで、草なぎが見事に体現している。

いつもは静かな男である一方、曲がったことが許せない格之進だけに、誇りを踏みにじられた時に見せる怒りは相当なもの。冤罪事件を企てた相手に怒りをたぎらせ、復讐へと突き進んでいく様子は、見るものを震わせるような迫力に満ちている。

普段は柔和な素顔を見せる草なぎだが、そこからは想像もできない表情に驚くこと必至。俳優・草なぎ剛の凄みを実感しつつ、「清廉潔白であろうと心がけてきた。それは正しかったのだろうか」ともがく格之進の行末をぜひ見届けてほしい。

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放送情報【スカパー!】

碁盤斬り
放送日時:2025年6月15日(日)21:00~
チャンネル:WOWOWシネマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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こちら

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