佐々木蔵之介がチャーミングながら涼しげな刑事を好演! 名取裕子、古田新太ら実力派揃いのゲストとの芝居も見逃せない「ハンチョウ~神南署安積班~シリーズ2」
俳優

ルーマニアの代表的な一人芝居「ヨナ-Jonah」を同国の演出家らと共に現地で作り上げ、東欧6都市で上演、日本でもこの秋、国内ツアー公演が予定されている佐々木蔵之介。俳優としてキャリアを積んでもなお、挑戦し続ける佐々木が主演を務め人気シリーズとなった刑事ドラマ「ハンチョウ〜神南署安積班〜」のシーズン2がTBSチャンネル1で放映される。
その当時もNHKの主演ドラマ「チャレンジド」で全盲の教師役を演じ、映画「大奥」では江戸城"大奥"の総取締役・藤波役として玉木宏とのラブシーンに挑むなど、どんな役も演じ分ける演技派として評価が高かった佐々木。
本作で演じている刑事課強行犯係の安積警部補(通称・ハンチョウ)は、どこか涼しげな雰囲気を醸し出している主人公だ。スーツのジャケットをひるがえすように着て現場に向かう姿は颯爽としていて、信頼する部下には優しく、いざという時にはリーダーとして責任をとり、生命を賭ける覚悟で事件に対峙していく。
本作にはシーズン1に引き続き、ハンチョウ率いる神南署安積班の部下として中村俊介、塚地武雅、黒谷友香、賀集利樹、山口翔悟が出演。警視庁の捜査一課管理官・高城辰也役として佐野史郎が新たなキャストとして加わり、安積と高城の過去が明らかになるのも見どころだ。
■俳優たちを活かす佐々木の芝居の絶妙な温度感

1話完結のストーリーの中、ゲスト俳優も名取裕子、神田正輝、篠田三郎、古田新太、鶴田真由、リュ・シウォンなど実力派が揃っている。名取は警察で"麻薬取締の女傑"と呼ばれている組織犯罪対策部の第5課主任を演じ、神田は元刑事で安積班が追っている事件に関わる男として出演。古田は日本語学校の教師役を演じている。
ヒューマンドラマでもある本作で佐々木が演じるのは相手の気持ちを引き出す側面を持つ刑事。ハンチョウとして部下たちの推理に耳を傾け、取り調べでは心理を推し量るように被疑者をじっと見つめる。その無言の演技が視聴者に多くを想像させ、絶妙の間で説得力のある台詞を放つ芝居は時として周囲に光を当てる名バイプレーヤーのようでもある。
それでいて安積は実にチャーミングだ。シーズン2では犯人からの脅迫電話に従い、大金を入れたバッグを持って神南署近くの街を何度も全力疾走させられる回が登場するが、キレキレの走りを見せながらも弱音を吐くところが飾らない安積らしい。ちなみに弱点はひとり娘の涼子(渋谷飛鳥)。娘からのメールに署内で青ざめ、部下に不審がられるなど、感情がわかりやすく顔に出るところも魅力である。
■佐々木と佐野の緊張感あふれる共演に見応え

本庁の管理官である高城と安積はその昔、臨海署で一緒に事件を追っている関係だった。警察という組織の一員であることを重んじ、出世した高城と刑事としての正義を貫いてきた安積。本作ではフリーライターが殺害されたことがキッカケとなって、7年前に共に追っていた深い闇が横たわる事件がフラッシュバックする形で描かれていく。
葛藤を抱えながらも感情に流されまいと生きてきたことが伺える高城を重厚感たっぷりに演じた佐野。高城との考え方の相違に佐々木演じる安積が怒りを露わにし、食い下がっていく回想場面は緊張感たっぷりだ。同僚の女性刑事を失った苦い過去が思いもよらない現在に繋がっていく展開はシーズン2の最大の見せ場。導火線に火がついた佐々木の熱演は見逃せない。
文=山本弘子
放送情報【スカパー!】
ハンチョウ~神南署安積班~シリーズ2
放送日時:【#7】2025年10月1日(水)10:00~
放送チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
出演:佐々木蔵之介、中村俊介、塚地武雅(ドランクドラゴン)、黒谷友香、賀集利樹、山口翔悟、安めぐみ、細川茂樹、田山涼成、佐野史郎 ほか
※放送スケジュールは変更になる場合があります。
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