12月に最終回を迎えたドラマ「ザ・ロイヤルファミリー」で主演を務めていた俳優・妻夫木聡。JRAの全面協力のもと、競馬の世界の内情を細やかに描いた本作。ひたすらに夢を追い続け、家族や仲間たちとの絆で奇跡を起こしていく人間と競走馬の20年にもわたる壮大で熱い物語が、観る者の胸を打った。
ほかにも連続テレビ小説「あんぱん」で朝ドラ初出演を果たしたり、9月に公開された映画「宝島」で主演を務めたりと、2025年も確かな演技力で存在感を放った妻夫木。そんな彼の近年の出演作の中でも特に印象深いのが、第46回日本アカデミー賞で最優秀作品賞や最優秀監督賞ほか、主要8部門の最優秀賞に輝いた映画「ある男」だ。芥川賞作家・平野啓一郎の同名小説を、「愚行録」(2017年)や「蜜蜂と遠雷」(2019年)の石川慶監督が映画化した本作で、妻夫木は本作で最優秀主演男優賞に輝いた。
横浜で弁護士をしている城戸章良(妻夫木)は、かつて離婚調停を請け負った女性・里枝(安藤サクラ)から、奇妙な話を聞く。離婚後、故郷に帰っていた里枝は、そこで"谷口大祐"と名乗る男性(窪田正孝)と出会って再婚し、平穏で幸せな家庭生活を送っていたという。しかし、ある日、大祐は仕事中に不慮の事故で急死してしまう。失意の中、なんとか葬儀を執り行った里枝。生前の大祐はあまり家族のことを話したがらなかったが、法要には大祐の兄・恭一(眞島秀和)も駆け付けた。ところが、仏壇に手を合わせた恭一が「写真、置いてやらないんですね」と一言。「置いていますけど...」と里枝が大祐の遺影を差し出すが、それを見て「これ、大祐じゃないです」と衝撃の事実を告げる。思いもよらぬ事態に困り果てた里枝は、再び弁護士の城戸を頼ることに。こうして城戸は、身元不明の"ある男"の正体を明らかにするべく、調査を開始する...。









