小泉今日子中井貴一の絶妙な演技に魅入られる!作家・倉本聰×主演・本木雅弘による心揺さぶる愛と美の物語「海の沈黙」

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「海の沈黙」 (C)2024 映画「海の沈黙」INUP CO.,LTD
「海の沈黙」 (C)2024 映画「海の沈黙」INUP CO.,LTD

1981年からスタートし、北海道・富良野を舞台に描かれる"小さな家族の大きな愛の物語"が日本中で感動を呼んだドラマ「北の国から」。この不朽の名作の脚本を手掛けたのは倉本聰。同シリーズのほか、「前略おふくろ様」(1975〜1977年)、「優しい時間」(2005年)、「やすらぎの郷」(2017年)など数々の名作を世に送り出してきた、日本を代表する名脚本家だ。

そんな巨匠の作家人生の集大成的な作品が映画「海の沈黙」(2024年)だ。2月1日(日)にWOWOWシネマで放送される本作は、倉本が長年構想していた渾身の物語を脚本に落とし込んでいる。

本木雅弘が孤高の天才画家を演じた「海の沈黙」
本木雅弘が孤高の天才画家を演じた「海の沈黙」

(C)2024 映画「海の沈黙」INUP CO.,LTD

「沈まぬ太陽」(2009年)や第44回日本アカデミー賞最優秀監督賞受賞作「Fukushima 50」(2020年)などで知られる若松節朗が監督を務めた人間ドラマ。主演には「おくりびと」(2008年)や「永い言い訳」(2016年)でも名演を見せた本木雅弘を迎え、共演に小泉今日子、中井貴一、石坂浩二、仲村トオル、佐野史郎ら主演級の実力派が揃う豪華布陣となっている。

「海の沈黙」
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(C)2024 映画「海の沈黙」INUP CO.,LTD

「海の沈黙」
「海の沈黙」

(C)2024 映画「海の沈黙」INUP CO.,LTD

世界的な画家・田村修三の展覧会で作品の一つが贋作と判明し、大事件に発展。報道が加熱していく中、北海道で全身に刺青の入った女の死体が発見される。無関係に思われた2つの事件の間に、一人の男の存在が浮かび上がる。かつて新進気鋭の天才画家と呼ばれるも、ある事件を機に姿を消した津山竜次だ。

その当時、竜次の恋人だった安奈は、現在は田村の妻となっていた。北海道へ向かった彼女は、もう会うことはないと思っていた竜次と小樽で再会を果たす。しかし、竜次の体は病に蝕まれていた...。

「海の沈黙」
「海の沈黙」

(C)2024 映画「海の沈黙」INUP CO.,LTD

本木が演じた謎多き竜次は、人一番繊細でありながら己の道を貫く頑なさも持ち合わせる。白髪が混じるグレーヘアと無精髭姿に、円熟みのある大人の色気を纏う。掠れた声に痩せこけた頬、何かに取り憑かれたように目の前のキャンバスに対峙する鋭い眼光。己の信じる美と芸術を、ストイックに追求する。

重い病に侵され命の火が消えそうになっても、ひたすらに描き続ける姿は、鬼気迫るものがあった。迫真の演技に圧倒されてしまう。独特の雰囲気を漂わせる孤高の天才画家を、本木は見事に演じきっている。

「海の沈黙」
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(C)2024 映画「海の沈黙」INUP CO.,LTD

「海の沈黙」
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竜次の元恋人で今は田村の妻となった安奈を小泉が演じ、冒頭の蝋燭の明かりが揺らぐ薄暗い画面に映し出された小泉の語り口から、物語の世界に一気に引き込まれる。歳を重ねてより美しく艶やかな魅力を放つ彼女の、心地良い声と、どこか遠く想いを馳せるような表情が印象に残る。

贋作騒動に巻き込まれ心乱されていく安奈は、やがて竜次のもとに辿り着き、再会を果たす。竜次役の本木とは"花の82年組"の同期でもあり、32年ぶりの共演となった。様々な経験を積み、時を経た今、再びその人生が交わる...それは本作の関係性にも重なる。竜次との再会シーンでの万感の思いが入り混じる表情や絶妙な間に、息を止めて魅入ってしまう。

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