2016年に放送されたドラマ「ゆとりですがなにか」。主演は岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥が務め、コメディが手腕の宮藤官九郎が脚本を担当。"ゆとり第一世代"と呼ばれる1987年生まれのアラサー男子3人が仕事に家族、恋、友情に迷い、もがきながらも懸命に立ち向かう悲喜こもごものストーリーが人気を博した。
2017年にはスペシャルドラマ「ゆとりですがなにか 純米吟醸純情編<前編・後編>」も放送された。そして数年の時を経て、2023年10月に公開されたのが映画「ゆとりですがなにか インターナショナル」だ。連ドラ版では29歳だった3人組も、30代半ばに。相も変わらず社会に揉まれる中、時代の変化も押し寄せ、彼らを取り巻く環境は劇場版でも慌ただしい。
(C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会
実家の酒造を継いだ坂間正和(岡田)は、YouTubeをしてみるも再生回数が伸びず、妻の茜(安藤サクラ)との夫婦仲もいまいちで、相変わらずレンタルおじさんの麻生厳(吉田鋼太郎)を呼び出して愚痴を聞いてもらう日々。そんな中、専属取引していた居酒屋チェーンが韓国企業に買収されたことがきっかけで契約が打ち切り寸前となってしまい、坂間酒造にピンチが訪れる。一方、小学校教師の山路一豊(松坂)は、マッチングアプリに登録するも連戦連敗で、いまだに女性経験はゼロ。しかし担任しているクラスにはアメリカとタイから転校生がやって来て、仕事には新しい風が吹く予感。そして中国に渡った元フリーター・道上まりぶ(柳楽)は事業に失敗したらしく、帰国していた。家族を養うためにと坂間酒造で働くことになるのだが、ことあるごとに何やら動画を撮影しており...。
連ドラでは「これだからゆとりは」と言われる立場だった3人だが、時を経て30代半ばとなり、今作では時代の変化に頭を悩ませる立場に。正和は「契約を続ける代わりにノンアルコールの日本酒を作る」という難題に挑むこととなり、山路も"今時の小学生"を相手に教師としてどうあるべきか模索中。2人とも基本的には真面目で気の良い青年なのだが、それぞれ次々と起こるトラブルに頭を抱え、顔をゆがませて焦ったり、絶叫したりするからつい笑ってしまう。そんな彼らを岡田と松坂がコミカルに好演している。
(C)2023「ゆとりですがなにか」製作委員会
しかし、まりぶだけは相変わらずのマイペースだから面白い。今作では中国語で客引きをして現れ、連ドラ版の初登場を思い出させるように出てくる。事業に失敗して帰国したにもかかわらず「次は冷やし中華の店を出そうと思って」と言ったり、坂間酒造で働くことに決まった時には「ゆくゆくは大吟醸"ゆとりの民"の大陸進出を視野に」と言ったり、本気か嘘かわからない軽口も相変わらず。しかし、正和がうまくいかなかった動画投稿も意気揚々とこなして、すごい数の視聴者がいるのだから、1番時代の波に乗っているのかもしれない。そんなまりぶを今作でも柳楽が飄々と演じている。
そして、連ドラ版で正和を悩ませた"ゆとりモンスター"の後輩・山岸ひろむ(仲野太賀)までも、なんと今作では新入社員からパワハラを訴えられてタジタジ...。しっかりと会社員として働いており、成長を感じさせられる。と思いきや、話し方やテンションはやっぱりあの頃の山岸のままで、今作では度々登場する恋人とのラブラブシーンにもクスリとさせられる。
メインキャストの3人はもちろん、坂間家の面々などお馴染みのキャラクターたちが登場するのも見どころの本作。時を経ても変わらぬ関係性で"ゆとり"たちがさまざまな困難に立ち向かうコミカルな人間ドラマを、劇場版でも楽しんでいただきたい。
文=HOMINIS編集部









