OLの村崎ワカコが主人公のグルメ漫画「ワカコ酒」。仕事帰りにふらりと酒場へ出向いて一人酒を堪能するワカコは、うまい酒と肴を味わいながら満足げな表情で「ぷしゅー」とつぶやく。そんなまったりとしたテイストと、ワカコが口にする酒と料理のおいしそうな描写が人気で、これまでアニメ化や実写ドラマ化され、2019年にはドラマ版のシーズン4の放送も予定されている。
そのドラマ版でワカコを演じているのは女優の武田梨奈だ。10歳から習い始めた空手二段の腕前を見初められて、映画『ハイキック・ガール!』(2009年)のオーディションに合格し、18歳で主演デビュー。2013年には「第1回ジャパンアクションアワード」で最優秀ベストアクション女優賞を受賞するなど、若手アクション女優としてのポジションを確立した。また、2014年に「クレディセゾン」のCMで披露した豪快な頭突きによる瓦割りや、鍛え抜かれた美しい腹筋で話題を集めた。
本格的なアクションを突きつめる一方で、武田は数多くの映画やTVドラマへの出演を重ねながら、情感あふれる演技面でも成長を続けている。2015年には『かぐらめ』で家族の間にできた溝に悩む主人公を好演。大杉漣が演じる父親との対立と絆を繊細に演じ上げた。また、2018年には武田が主演を務めるエンタテインメント作『三十路女はロマンチックな夢を見るか?』で強盗団の逃亡に巻き込まれるアラサー女性を熱演。矢野聖人主演の『ボクはボク、クジラはクジラで、泳いでいる。』でもヒロインを演じるなど、女優としての幅を確実に広げている。
「ワカコ酒」で、武田は得意とするアクションを封印。勤務先の同僚OLや上司との掛け合いなど、飾りっ気のないリラックスした演技で、ワカコのマイペースなキャラクターを表現している。また、このドラマシリーズには毎回、視聴者の目を釘付けにする酒と料理の描写が"見せ場"として出てくるが、そのカットに被せられるワカコのモノローグとともに、その魅力を引き立たせる武田の表現力も見どころだ。
しかし、ここまで堅苦しく書いてきた、このコラムのような"力み"は「ワカコ酒」には似合わない。仕事帰りに買った缶ビールと焼き鳥をテーブルに広げて「ワカコ酒」を見ながら、武田梨奈とサシ飲み気分で一緒に「ぷしゅー」とできる、それがこの作品の最大の魅力なのだろう。
文=editaholic
放送情報
ワカコ酒2
放送日時:2018年11月5日(月)23:00~
※毎週(月)23:00~
チャンネル:MONDO TV
ワカコ酒
放送日時:2018年11月16日(金)12:30~
チャンネル:映画・チャンネルNECO
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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