あの「時効警察」が12年ぶりに帰ってくる!「時効警察」は警察署を舞台に、オダギリジョー、麻生久美子を主演に据えたコメディー作品で、深夜枠ドラマならではのマニアックな内容と脱力系の笑いがサブカルクラスタの心を捉え、その最高視聴率は第1作「時効警察」(2006年)が12.1%、第2作「帰ってきた時効警察」(2007年)が13.5%と、カルト的な人気を博した伝説のドラマだ。
総武警察署の「時効管理課」は、時効事件の資料整理・遺留品返却をする窓際部署。そこに所属する霧山修一朗(オダギリジョー)は、時効が成立した未解決事件を<趣味>で捜査している。彼に好意を持つ交通課の三日月しずか(麻生久美子)を助手に、数々の時効事件の真相を暴いていく...のだが、時効事件故に真犯人がわかったところで何の効力も発揮しない。そのうえ霧山は時効まで逃げ切った犯人に、「この件は誰にも言いません。」と署名捺印した「誰にも言いませんよカード」を渡して去っていくのだ。なぜなら、真相解明はあくまで<趣味>だから。
スローモーでトボケた霧山とバタバタと騒々しい三日月は、ボケとツッコミのような立ち位置で、さながら夫婦漫才のよう。ほかにも熊本課長(岩松了)、又来さん(ふせえり)など、曲者だらけの時効管理課員のやりとりも、くだらなさ満載で笑える。ただしそれは、爽快な笑いではなく、ちょっと黒くてゆる~い種類の笑いだ。
その笑いを生み出すクリエイター(脚本・演出)陣は、三木聡、岩松了、園子温、ケラリーノ・サンドロヴィッチという独自な世界観の映画や舞台作品で人気博す、ひと癖もふた癖もある納得のメンツ。「帰ってきた時効警察」では、第8話「今回、三日月が大活躍する理由は深く探らない方がいいのだ!」で、主演のオダギリ自らも脚本・演出を手掛けている。毎話女優がゲスト出演する1話完結の推理ものながら、サブタイトルがやたらと長かったり、エンディングの「このドラマはフィクションであり......」というテロップに毎回ダジャレが仕込まれていたり、物語の本筋以外のシュールな小ネタがあちこちにしりばめられているのもサブカル心を刺激する。
2019年の新シリーズ「時効警察 2019」では、霧山が出向していた米FBIから12年ぶりに総武警察署・時効管理課に復帰する。相方である三日月は、霧山に思いを伝えられないまま刑事課の刑事と結婚したが、現在はバツイチに。12年という歳月がふたりの関係にどう作用するのか、そして、FBI仕込みのテクニックで霧山の趣味の捜査はどこまで飛躍するのか、そしてどんな小ネタが仕込まれるのかが新作の見どころとなりそう。もちろん、時効管理課員のパワーアップも期待できる。
新シリーズの放送前の3月に、テレ朝チャンネル2で「帰ってきた時効警察」の放送が決定。あの独自な世界観をもう一度、前作でおさらいしておこう。
文=坂本ゆかり
放送情報
帰ってきた時効警察
放送日時:2019年3月12日(火) 22:15~
チャンネル:テレ朝チャンネル2 ニュース・情報・スポーツ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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