水嶋ヒロが「仮面ライダーカブト」で見せる"原点"が詰め込まれた演技

十人十色。その言葉が示すように、"平成仮面ライダー"は最新作の「ジオウ」を含めると、これまで20人が登場しており、その特徴や人物像はライダーによってさまざまだ。そしてそれは仮面ライダーを演じてきた俳優にも、同様のことが言えるだろう。彼らは現在では"若手俳優の登竜門"と称されるようになった特撮ドラマを経た後は、同じ芸能界にいながらもそれぞれの持ち味を生かし、各々のフィールドで活躍を見せてくれる。その中でも「仮面ライダーカブト」を演じた水嶋ヒロは、"俳優"という枠組みにとらわれることなく、多岐に渡ってその才覚を発揮している。

ここで簡単に水嶋ヒロの経歴について、紹介しよう。水嶋は1984年に生まれ、幼少期をスイスで過ごした帰国子女。大学在学中にまずはモデルの仕事を始めると、2005年には役者としての活動もスタートさせた。そうして活動1年目は端役で経験を積んできたが、その後は堀北真希主演のドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」(2007年)や「MR.BRAIN」(2009年)など話題作に出演し、一躍人気俳優への道を駆け上がった。

そんな水嶋の名が世に広まるきっかけとなった作品が、「仮面ライダーカブト」である。「仮面ライダーカブト」は仮面ライダー生誕35周年記念作品として制作されたシリーズで、そのコンセプトは「最強の仮面ライダー」。さらに、初代「仮面ライダー」同様にモチーフが昆虫であることなど、「昭和仮面ライダー」シリーズの要素が多く盛り込まれている。また、従来のシリーズと異なりコメディ要素が多分に含まれているのが特徴的だ。

(C)2006劇場版「カブト・ボウケンジャー」製作委員会(C)石森プロ・東映

そして「仮面ライダーカブト」は「劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE」(2006年)が制作されており、その「DIRECTOR'S CUT VERSION」が4月21日(日)に東映チャンネルで放送される。人間に擬態し、殺りくを繰り返す地球外生命体・ワームの脅威に対抗するべく、人類側の秘密組織ZECTは、超高速戦闘が可能となる「マスクドライダーシステム」を開発。システムに選ばれた天道総司(水嶋ヒロ)は「仮面ライダーカブト」として戦うが、反乱分子・ネオZECTが誕生し、2つの対立組織によるライダー同士の戦闘が始まってしまう。

本作で水嶋は、悲しい過去を背負い戦う天道総司を好演。TVシリーズにおいては作務衣に下駄といった姿で初登場を飾っており、他にも神父や医師、手術着など、水嶋演じる天道のさまざまな衣装も楽しむことができる。また、先述したように「カブト」は、「クウガ」や「龍騎」のように緊張感が走るシーンばかりだけでなく、思わず笑ってしまうような要素がふんだんに盛り込まれている。そこから学んだ緩急のつけ方や、間の取り方、声色といった演技面での技術は、後にドラマ「花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス~」や、「メイちゃんの執事」(2009年)へとつながり、成長の糧になったと言っても過言ではないだろう。

現在の水嶋は、コンテンツのプランニングやディレクション及びプロデュース業を中心に、クリエイターとして国内外において幅広く活躍中。俳優としては活動を控えがちな印象だが、近年では海外ドラマ「GIRLS/ガールズ シーズン5」(2016年)や、「東京BTH~TOKYO BLOOD TYPE HOUSE~」(2018年)へと出演しており、本格的な俳優活動の復帰を期待せずにはいられない。それまでは水嶋の出演作を見ながら、いつか訪れるその時をゆっくり気長に待つことにしよう。

文=椋鳥

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放送情報

劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE DIRECTOR'S CUT VERSION
放送日時:2019年4月21日(日)12:00~
チャンネル:東映チャンネル

※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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