林遣都 ドSキャラから時代劇の健気な少年まで、どんな役もハマるその魅力とは

林遣都
林遣都

林遣都の代表作としてまっ先に思い浮かぶのは、今やドラマ「おっさんずラブ」(2018年テレビ朝日系)のドSキャラ・牧凌太だろう。コメディ色の強い春田(田中圭)と黒澤部長(吉田鋼太郎)の恋模様に対比するように、牧の春田への想いを抑えた演技で表現して注目を集めた。

中学の修学旅行で訪れた渋谷でスカウトされ、16歳でいきなり、映画『バッテリー』で主演デビューした林遣都は、初作品で日本アカデミー賞、キネマ旬報ベスト・テンなどその年の多くの新人賞を受賞して、華々しいキャリアのスタートを飾った。デビュー作で野球のピッチャーを演じ、3作目の映画『ダイブ!!』(2008年)では高飛び込み選手役で、細いが整った筋肉の裸体を披露。その後も『ラブファイト』(2008年)でボクシング、『風が強く吹いている』(2009年)で駅伝とスポーツ選手を続けざまに演じたが、熱血で明るいスポーツマンではなく、ストイックでマジメな役柄が多かった。

「マジメな主役俳優」という林のイメージを覆したのが、連続ドラマ初主演作となった「荒川アンダー ザ ブリッジ」(2011年TBS系)ではないだろうか。小栗旬、山田孝之、城田優といった個性派俳優との共演でコメディへの耐性を付けてからは助演作も増え、ストイックでマジメなイメージから、「HiGH&LOW」シリーズ(2015年~)の達磨一家・日向のようなぶっとび系、ドラマ「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(2018年)の青島のようなペット系、そして「おっさんずラブ」のドS系まで、クセの強いキャラまでマルチに演じる俳優に成長した。

さまざまな役を演じてきた林遣都のまた新たな一面が垣間見れる作品が、初めて時代劇で主演を務めたNHKのドラマ「銀二貫」(2014年)だ。「なにわ商人のええ話でおます」というキャッチフレーズ通りの商人の町・大坂天満を舞台にした人情劇。林は、武士の父が仇討ちで斬殺され、その現場に偶然居合わせた商人・和助(津川雅彦)に「銀二貫」と引き換えに命を救われ、和助の営む寒天問屋・井川屋の丁稚となった松吉を演じている。

士農工商の身分制度が敷かれていた時代に、侍から商人として生きることになった松吉はアイデンティティーを失い、自分は何者なのか、そして生きる意味は何なのかを模索することとなる。その過程で多くの人の暖かさに触れて、人間として、そして商人として成長していく姿を描いた心温まる作品だ。

共演者もNHKならではの豪華さで、松吉が恋心を抱く真帆を松岡茉優が演じている。林と同様、幅広い演技で日本映画に欠かせない女優の初のヒロイン作でもある。また、キーマンとなる「銀二貫」を受け取り松吉を見逃した建部玄武役をジャニーズの風間俊介が演じるなど、旬の演技派若手俳優が集結。それを津川雅彦、萬田久子、塩見三省らベテラン勢が支えるという、丁寧な作りのヒューマンドラマとなっている。

強烈な個性を持つキャラから、人間らしい普通の青年まで、何者にもなれる林遣都。今年の夏も『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』で注目されること間違いなしの林遣都の、牧くんとは違う顔もチェックしてみてはいかがだろう?

文=坂本ゆかり

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放送情報

銀二貫
放送日時:2019年8月1日(日)23:00~
※毎週(木)23:00~(2話連続)ほか
チャンネル:時代劇専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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