窪田正孝が人たらしの放射線技師を好演!「ラジエーションハウス」は月9の新たな痛快作

窪田正孝(「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」より)
窪田正孝(「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」より)

見逃してしまった人はこれがイッキ見のチャンス。4月クールに月曜9時枠で放送された連続ドラマ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」とその続編に当たる「ラジエーションハウス特別編~旅立ち~」が早くもフジテレビTWOで放送される。

このシリーズは、人気コミックを原作に、ある総合病院のラジエーションハウス、つまり放射線科で働く技師たちの仕事ぶりを描く。専門技術を持ちながら、治療の決定権がある医師ではないため、"オーダー"(注文)がないとレントゲンひとつ撮ることができない技師たち。ちょっと卑屈になりつつ、ひたすら"指示待ち"で仕事していた彼らのチームに、若手の技師・五十嵐唯織(窪田正孝)が入ってくる。

彼はアメリカで最先端の医学を学んできており、しかも天才的な観察眼の持ち主。レントゲン写真やMRIの画像から、医師でも気づかない病状を発見しては患者たちを救っていく。前の院長の娘である放射線科医・甘春杏(あまかすあん/本田翼)も初めは唯織を単なるスタッフ扱いしていたが、やがて唯織の診断を信用し、上司に逆らってでも彼の助言に従うようになる。

「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」より

唯織役の窪田正孝は、これが月9初主演。アシンメトリーの髪型と患者の画像を見るときの眼力の強さ、「お願いだから検査をさせてください」と言って患者に頭を下げる誠実さなどで、原作のイメージを裏切らず、かつ実写としてリアルな唯織像を確立した。

実は唯織にとって杏は初恋の人であり、幼き日に彼女とした約束のために放射線技師になったのだが、そんな彼女の前で見せるへニャっとした表情も魅力的だ。その演技には、朝ドラ「花子とアン」(NHK総合)などで演じてきた好きな人に尽くす純情な青年役と、コミカルな「ヒモメン」(テレビ朝日系)などで演じたヘタレ男の役がうまくミックスされている。

「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」より

唯織は2000年代の月9の代表作「HERO」(フジテレビ系)の久利生検事(木村拓哉)に通じる、"能ある鷹は爪を隠す"タイプの主人公でもある。一見ちゃらんぽらんだが、大胆な推理と丁寧な検証の積み重ねによって真相にたどりつき、次第に周囲に一目置かれることになる実力派のヒーロー。演出が「HERO」と同じ鈴木雅之監督(チーフディレクター)ということもあり、唯織の活躍ぶりはまるで久利生の後継者のようだ。

"人たらし"なところも共通していて、唯織はすっかり放射線科のメンバーを魅了してしまい、彼が去った後を描く「ラジエーションハウス特別編~旅立ち~」ではメンバーがひどい"五十嵐ロス"に陥っている様子も描かれる。

「ラジエーションハウス特別編~旅立ち~」より

本作は月9の新たな鉱脈とも言える"医療系青春群像劇"の流れにも沿っている。セカンドシーズンから月9枠での放送となった「コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」(フジテレビ系)がその筆頭で、本作、そして現在放送中の「監察医 朝顔」(フジテレビ系)と、いずれも医療現場を舞台に若き医師や医療技術者が切磋琢磨しながら命と真剣に向き合っていく。これらのドラマは、「人を助ける仕事っていいな」「仲間と力を合わせて働けるっていいな」という感動を与えてくれるだろう。

文=小田慶子

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放送情報

ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~
放送日時:2019年9月18日(水)12:10~
ラジエーションハウス特別編~旅立ち~
放送日時:2019年9月27日(金)12:10~
チャンネル: フジテレビTWO ドラマ・アニメ
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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