松坂桃李がベッドシーンに体当たりで挑んだ!『娼年』で見せた新たな一面

松坂桃李(映画『娼年』より)
松坂桃李(映画『娼年』より)

松坂桃李が"娼婦"ならぬ"娼夫"を全身全霊で演じて女性を中心に大反響を呼んだのが映画『娼年』(2018年公開)だ。原作は「池袋ウエストゲートパーク」や「スローグッドバイ」など数々の話題作を世に送り出してきた小説家、石田衣良。松坂主演で舞台化され、その後映画化となった本作は、冒頭から手加減なしのセックスシーン、本編の大半が松坂演じる娼夫・リョウと年上の女性たちとの濃厚でエロティックな性描写で占められ、役に挑んだ松坂、そして女優たちの役者魂に感服させられる。松坂桃李が『娼年』で見せた新たな一面とは?

■松坂の佇まい、表情が作り上げた役

松坂演じる森中領は名門大学に通いながら学校に行かず、下北沢のバーでバーテンのバイトをしている醒めた無気力男子。ある日、店を訪れた謎の美女(真飛聖)に「女なんてつまんないよ」という言葉を吐いたことで会員制ボーイズクラブに誘われ、娼夫・リョウとして働くことになる。そこにはまったくリョウが知らない世界が広がっていた。

年を重ねることにコンプレックスを持っている女性、もと文学少女で特異な性癖を持っている中年女性、セックスレスな夫との生活に不満を持っている人妻、不能になった夫のために白昼堂々、夫の前でセックスしてほしいと頼む年下妻。夫に先だたれた70才の美しい老女。誰もが人には言えない欲望を隠し持ち、その表と裏の顔の激しいギャップに驚きながらも、心を閉ざしていたリョウはいつしか女性たち、ひいては人間に興味を覚え、娼夫という仕事に生きがいに似たものを感じていくようになる。

普段は仮面をつけて生きている女性たちが本音を語り、欲望を解放して日常へと戻っていくのは、彼女たちを線引きせずに受け入れて向き合う優しさとキャパシティを持つリョウの特異性あってこそ。松坂自身のフラットな佇まい、どこか憂いを帯びた表情がこれまでになかった主人公を作り上げた。

■静と動のギャップを表現。男性の本能もむき出しに?

表と裏の顔という意味においてはリョウ、自身も登場する女性たちと同じ。バーで働いているとき、もしくは初めての女性と出会うときは口数も少なく、ほとんど笑うことがないが、ベッドシーンでは男性の本能をむき出しにするワイルドな面も。

松坂自身、AVを見たり、監督と話し合いを重ねて研究したり、細部の動きやアングル、色味の美しさにもこだわって撮影したということだが、"挑戦"という言葉では表現しきれないほどの渾身の演技。繊細な心の動きとフル稼動する肉体の動きを同時に表現しなければならないという過酷さもふくめ、いろいろな意味において、踏み込んだのが『娼年』であり、人気イケメン俳優がここまでやるには相当の覚悟が必要だったはず。

なお、俳優デビュー10周年を迎える松坂は今年の3月に行われた『第42回日本アカデミー賞』において映画『孤狼の血』(2018年)で最優秀助演男優賞を受賞。『パーフェクトワールド』では初の本格恋愛ドラマに主演するなど役の幅を広げている。

文=山本弘子

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放送情報

娼年R(-15版)<R-15>
放送日時:2019年10月6日(日)23:50~ほか
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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