阿部寛が「結婚できない男」で演じる愛すべき変わり者の独身男!

平均17%を超える高視聴率を記録した阿部寛主演の大ヒットドラマ「結婚できない男」(2006年)。10月から13年ぶりの続編「まだ結婚できない男」が放映されることで当時、夢中になっていた視聴者からはオンエア前からさまざまな声が上がっている。10年以上の月日が流れても見ていた人たちの記憶にしっかり刻まれているからこそ、期待も不安もふくめてリアクションが高いのだ。肝となるのは阿部寛が演じる"おひとりさま"を愛する偏屈でプライドが高く皮肉屋でどうにもこうにも素直になれない建築家、桑野信介。続編が放送される前に、その愛すべき生態をおさらいしておこう。

■阿部の苦みばしった演技が笑いを呼ぶ

独身生活を満喫している桑野にとって高級マンションの部屋で過ごす生活はパラダイス。キッチンを中心とした設計にこだわりを持つ建築家だけあって、自宅のキッチンもまったく隙がないぐらい美しく整頓されている。ひとりでステーキを焼き、ナプキンを首にかけ、ワインを飲んで肉を口に運び至福の笑みを浮かべるシーンや、チェアーに座ってクラシックを大音量で流し、牛乳を飲みながら指揮者になりきって陶酔するシーンなどは「結婚できない男」を象徴するシチュエーションは、演技なのか地なのか...どこか阿部のイメージに重なる。

仕事帰りにしばしばレンタルDVD屋に寄り、好きな映画や海外ドラマを物色し、アダルトコーナーで口元がゆるむものの人目が気になり、結局、いつも借りられないのも定番のシーン。不在通知で二度手間になるのを避けるため、趣味で買った復刻版人生ゲームを会社に届けてもらい、家でひとりで楽しみながら「必ず結婚しないといけないのが、このゲームの欠点だ」とつぶやく苦みばしった演技が逆に笑いを誘う。

■阿部と主人公・桑野が同化!?

空気がまったく読めず、まわりの人たちを心ない言葉で傷つけてしまう桑野だが、皮肉な言い方しかできない性格を理解しているのがかかりつけの内科医、早坂夏美(夏川結衣)と仕事上のパートナーの沢崎摩耶(高島礼子)だ。マンションの隣人、田村みちる(国仲涼子)もやがて桑野のわかりにくくて不器用すぎる優しさに魅力を感じていく。このにじみ出る人間性はまさに阿部の面目躍如!

はとバスツアー初体験ではバスガイドの説明を訂正、嬉々としてウンチクを語り出してガイドを泣かせてしまったりと、面倒くさすぎる性格だが、どんどんその一挙一動から目が離せなくなる。阿部と桑野がいつしか同化してしまうマジックや細かい演出やセリフのこだわりもふくめ、変わり者の独身男が阿部寛にハマりすぎの傑作ドラマだ。

文=山本弘子

この記事の全ての画像を見る

放送情報

結婚できない男 スペシャルエディション
放送日時:10月12日(土)6:00~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

詳しくはこちら

キャンペーンバナー

関連記事

記事の画像

記事に関するワード

関連人物