大泉洋の魅力が凝縮！出世作「水曜どうでしょう」が今も愛される理由

北海道のローカルタレントから一転、今や日本を代表する人気俳優に上り詰めた大泉洋。シリアスな役からコミカルな役まで難なくこなす彼は、出演作が軒並みヒットを記録。その演技力に対する評価は業界からも高く、日本アカデミー賞優秀主演男優賞やブルーリボン賞主演男優賞など、これまでに数々の賞を受賞している。

そんな彼の名を一躍全国へと広めた出世作が、1996年10月からHTB(北海道テレビ)で放送が始まったローカルバラエティー番組「水曜どうでしょう」だ。

放送開始当時まだ大学生だった大泉とミスターこと鈴井貴之のレギュラー出演者、同行ディレクターの藤村忠寿、嬉野雅道の4人を中心とした"どうでしょう班"が過酷なロケに挑むというもの。2002年のレギュラー放送終了後に、番組を再編集した「どうでしょうリターンず」「水曜どうでしょうClassic」の放送が日本各地で開始され、2007年には全国47都道府県での放送を達成。北海道にとどまらず、日本中を巻き込んだ一大ムーブメントに発展した。

中でも視聴者から絶大な支持を集めたのが、代名詞といえる無謀な旅企画。その一つである"サイコロの旅"シリーズは、サイコロで行き先を決めながらゴールの札幌を目指していくのだが、どうもサイコロの神はイタズラ好きのようでサイコロを振るたびに過酷な運命が待ち受けている。

札幌からはことごとく遠ざかり、長時間の移動を強いられる深夜バスの目が出ることもしばしば。当時の深夜バスは4列シートで1席ごとのスペースが狭いバスが一般的のため、道中で受ける体への負担も大きい。シリーズ第2弾で壇ノ浦SAに休憩に立ち寄った際には、悲壮な表情を浮かべた大泉の口から「バスでもう寝れないんだよ、俺たち」という悲痛な訴えが飛び出したほどだ。

そうした極限まで追い込まれる旅のストレスに加え、他の3人に騙されることも多かった大泉の不満が時に爆発する。番組では、くだを巻いたり、藤村に食ってかかるシーンまで余すところなく放送されているが、その人間味あふれる姿が大泉の魅力として視聴者に大ウケ。こうしたドキュメンタリーのようなリアルな描写が長年愛されている理由の1つだろう。

令和元年を迎えた今年。大泉の「一生どうでしょうします宣言」もあり不定期で新作を放送してきた「水曜どうでしょう」の最新作が、約6年の沈黙を破って帰ってくる。

まずは、さっぽろばんけいスキー場で開催される「水曜どうでしょう祭 FESTIVAL in SAPPORO 2019」にて10月4日(金)と5日(土)に第1夜が先行公開され、6日(日)には全国の映画館で行われるライブ・ビューイングとともに第1夜と第2夜が公開される。

併せてテレ朝チャンネル2では最新作公開直前となる10月1日(火)から3日(木)の3日間連続で「水曜どうでしょう祭 開催記念特番」の放送が決定。3夜連続でヨーロッパ21ヵ国完全走破編、ヨーロッパリベンジ編、ヨーロッパ20ヵ国完全制覇完結編が放送されるほか、どんな話が飛び出すかわからない制作スタッフのトークコーナーも用意されるなど、どうでしょうファンにはたまらない内容となっている。

止まっていた時計の針が再び動き出す「水曜どうでしょう」を思いっきり楽しむためにも、彼らの旅の軌跡を呼び覚ましたい。

文＝安藤康之

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