11月3日、22歳の誕生日を迎えた俳優・北村匠海。声優として主演を務めた現在公開中のアニメ『HELLO WORLD』など、ナイーブな高校生役が相次いでいたかと思いきや、今発表されているだけでも5本の出演映画が待機中で、様々なキャラクターで新たな表情を見せている。そんな彼が、「TBS日曜劇場グッドワイフ」では弁護士役に挑戦。常盤貴子、唐沢寿明、吉田鋼太郎、賀来千香子...といった実力派のベテラン俳優陣が集結した中でも、全く引けを取らない存在感を見せつけた。
「グッドワイフ」は、名匠リドリー・スコットが製作総指揮を務め、2009年からアメリカで7年間に渡って放送されたドラマ「The Good Wife」を原作にしたリーガルヒューマンエンターテインメントだ。東京地検特捜部長である夫がスキャンダルで逮捕されたことから、16年ぶりに弁護士に復帰した蓮見杏子(常盤)。仕事へのブランクや世間からのバッシングなど、数々の困難に悩まされながらも、家族を守るために覚悟を決めて立ち向かう杏子の姿を爽やかに描いていく。
2008年の『ダイブ!!』で映画デビューを果たして以降、次々と話題作に出演してきた北村。デビュー直後は池松壮亮、岡田将生、小栗旬、松本潤らイケメン俳優が演じるキャラクターの幼少期に扮し注目を集める。そして2017年の映画『君の膵臓をたべたい』で初主演を務めると、その繊細な演技が高い評価を集めた。優等生から不良、そして初恋に揺れる少年など、作品ごとに異なる表情を見せる彼の芝居は、若干22歳ながら"実力派"と呼びたくなる逸材だ。
そんな北村がこのドラマで演じているのが、「神山多田法律事務所」で仮雇用されている弁護士・朝飛光太郎。朝飛はまだ新人ながら、努力家で知識も豊富な上に、ロースクール時代は成績優秀だったという設定。一つしかない事務所の雇用枠を巡り、同じく仮採用された杏子と競争することになる。上司に対して物怖じすることなく自己主張する朝飛は、"生意気"と誤解されることもしばしばで、ライバル視する杏子に対しても食ってかかるような一面も。劇中では杏子を演じる常盤とのバチバチの演技合戦も展開するので見逃せない。
一方で、そんな不遜な態度を見せながらも、自然と人の懐に入り込んでいく可愛らしさを併せ持つ朝飛。空気を読むことに長け、人懐っこい笑顔を浮かべる彼は、次第に"愛されキャラ"を発揮。事務所の共同代表・多田(小泉)を相手に見せる、まるで"ワンコ"がじゃれつくような屈託のない振る舞いに、ギャップ萌えしてしまうファンも多かったのでは?
しかし、ドラマの第4話では、自信家で優等生な朝飛の意外な素顔も描かれる。自分より優秀な兄弟へのコンプレックスや自分のことを認めてくれない父親への思いについて吐露するシーンには心を掴まれる。どこか憂いを帯びた北村の佇まいには、不思議な引力がある――ただイケメンで可愛いだけじゃない、そんな彼本来の魅力が、朝飛のキャラクターに説得力と奥行きを与えているのだ。
北村が改めて俳優としてのポテンシャルの高さを見せつけた「グッドワイフ」が、TBSチャンネル1で11月9日(土)に全話一挙放送される。個性派俳優陣との共演で存在感を発揮した本作で、現在の彼の魅力を存分に味わってほしい。
文=スズキヒロシ
放送情報
グッドワイフ
放送日時:2019年11月9日(土)10:00~
チャンネル:TBSチャンネル1 最新ドラマ・音楽・映画
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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