結婚願望はあるのにモヤモヤして女子会ばかり開いているアラサー女子3人の友情と恋模様を描き、共感を呼んだのが2017年に放映されたドラマ「東京タラレバ娘」(日本テレビ系)だ。
原作はドラマ化もされた「海月姫」の作者でもある東村アキコの漫画で累計発行部数330万部超の大ヒットを記録。鎌田倫子(吉高由里子)、山川香(榮倉奈々)、鳥居小雪(大島優子)は高校時代からの親友トリオ。彼女たちが「あのとき付き合っていレバ」、「あのとき素直になっていタラ」などと居酒屋で集まってはグチるため、ドSの金髪モデルのKEY(坂口健太郎)につけられた呼び名が"タラレバ女"。泣いたり笑ったり泥酔したり"アラサーあるある"のコミカルでキュンとするドラマの魅力とは?
■3人娘の目標はおひとりさま東京オリンピック回避?
ドラマの主人公はパッとしない脚本家の倫子、ネイルサロンを開いている香、父親が経営する居酒屋「呑んべえ」の看板娘、小雪の東京で暮らす3人娘だ。彼氏ナシの彼女たちの目標は2020年の東京オリンピックをひとりで見ることを避けるべく、それまでになんとしても幸せになりたいということ。
仕事も恋愛も波乱万丈で情に熱いが酒癖の悪い倫子、おっとりしていて一番乙女な香、テキパキしていてクールな小雪と性格はバラバラな3人は会っていないときでもマメにLINEで連絡をとりあっている。
とはいえ、浮いた話が無いわけではなく、誰かに事件があったときに発令されるのが男がらみの緊急事態を意味する"第4出動"だ。集まるのは小雪の店「呑んべえ」。
ある日、大声でワチャワチャ男の話をしているのにイラついた金髪の若い客、KEYに「そうやって一生、女同士で"タラレバ"つまみに酒飲んでろよ」と冷たく突き放されたのをキッカケに彼女たちのアラサーライフは少しずつ動いていく。「あの金髪、ムカつく!」と立腹しながら自分たちが女子会に熱中するあまり婚活を怠ったことを反省し、3人それぞれの恋愛事情はあらぬ方向に?
実は人気モデルだったKEYはその名の通り、物語の鍵を握る謎めいたキャラ。タラレバ娘の迷走っぷりも見どころながら彼女たちをクールに観察し、ときに"ぐっさり"とくる台詞を言い放つKEYの素性や立ち位置も気になって惹きつけられる。
■"こんな男いるいる"も見どころ
"アラサーあるある"のみならず"こんな男いるいる"で盛り上がれるのが「東京タラレバ娘」の魅力でもある。
例えば倫子が若いときにフッてしまったプロデューサーの早坂(鈴木亮平)は多くの女性が「こんな人と結婚したら平穏で幸せな生活が送れそう」と思う"いい人"だが、恋に刺激を求めるなら物足りない男性。香がよりを戻すバンドマン、涼(平岡祐太)は女癖は悪いがウソをつけない無邪気さと調子の良さで憎みきれない男性。また、田中圭演じる小雪が惚れてしまう妻帯者の男、丸井は騙しているという自覚が薄い素朴な男性だ。
そんな"いるいる"男たちとの関係の中で毎回、ドラマに登場する妄想キャラ、"タラ"と"レバ"に人生のダメ出しをされつつ、少しずつ成長していく3人娘たち。東京オリンピックまでに決着をつけたいと誓った彼女たちが出した結論とは?幸せの形とは?笑えて切なくも考えさせられる。
文=山本弘子
放送情報
東京タラレバ娘 一挙放送
放送日時:2020年1月1日(水・祝)9:35~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。
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