加藤将に泣きながら電話!永田聖一朗が舞台「銀河英雄伝説」の秘話を語る

永田聖一朗
永田聖一朗

舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These 〜第三章 嵐の前〜』が3月15日(日)衛星劇場にてTV初放送される。原作は田中芳樹による壮大なSF小説。数千年後の未来を舞台に、対立する銀河帝国と自由惑星同盟の歴史を動かす、英雄たちの物語だ。

今回銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムを演じた永田聖一朗のインタビューが到着した。

──永田さんは舞台『銀河英雄伝説 Die Neue These』で2018年の第一章からずっとラインハルトを演じられていて、昨年の「第三章 嵐の前」で3公演目。いかがでしたか?

「第一章や第二章のときには見えなかったものが見えてきて、各々のキャラクターとの関係性の深掘りができて面白かったです。特に(加藤)将さんが演じるキルヒアイスとの関係は僕たちならではの掘り下げ方ができたのではないかと思います」

──加藤さんはミュージカル『テニスの王子様』でチームメイトを演じていて、『銀英伝』でも同じ帝国に所属する唯一無二の相方でした。

「はい。だから稽古中に壁にぶつかった時も将さんがいると安心できました。泣きながら将さんに電話して、朝まで付き合ってもらったことも。とても素晴らしいカンパニーなのですが、悩むことはしょっちゅうありました。もっと周りを見る必要があったんじゃないか、もっと作品全体を見ていたらできたことがあったんじゃないかと、悔しく情けない思いをしたことがあって...。その僕らの関係がラインハルトとキルヒアイスの役作りにつながっていったと思っています」

舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These ~第三章 嵐の前~」より

(C)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会

──ラインハルトというキャラクターの魅力をどんなところにあると考えていますか?

「彼はカリスマ性の塊です。それと器量があって、さらに子どもらしさも持っていますね。キルヒアイスに見せる笑顔もそうですし、『姉上、姉上』ってアンネローゼを慕う様子も、カリスマ性とは正反対の部分です。その二面性がラインハルトを作っているのかなと。それと、いろいろな人との出会いの中で変わっていくことを恐れない姿勢が感じられて、それがラインハルトの魅力であり作品全体の魅力でもあると思っています」

──「銀英伝」ならではの演技の苦労や気をつけていたことはありますか?

「帝国は貴族社会なので、様式美を大事にしていました。固いことを言っている中に皮肉や遊びが含まれているので、皮肉を皮肉に、冗談を冗談に、ちゃんと聞こえるように心がけて話していました。それとセリフに普段使い慣れていない言葉がとても多いので、口を慣らさないといけなくて、家でもずっとセリフを口に出して練習していました。口を覆うと声が漏れない器具があるんですよ。ご近所迷惑にならないようにそれを買って。本番が始まってからも、毎公演ごとに必ず全部のセリフを喋ってから舞台に立つようにしていました」

──毎公演、開演前に全部のセリフをですか?

「僕だけじゃなくみんなやってたんですよ。開演1時間前くらいから舞台の上でみんなそれぞれ自分のセリフを言っていて、バラバラにやってるんですけど、たまに誰かが言ったセリフにほかの誰かが絡んできて、シーンが始まったりもしてました」

──座組の皆さんが同じ高い意識を持ってやっていらっしゃったんですね。

「『銀英伝』って、小劇場だったり大劇場だったり2.5次元だったり、いろんな畑の人が集まってるんですよ。そういう中で僕はいろんな方の芝居を見て『なんて僕の世界は狭かったんだろう』って思いました。先輩方のお話を聞いて勉強になったこともたくさんあるし、演出の大岩(美智子)さんも素晴らしい言葉をいつもたくさん伝えてくださるんです。『(永田と)出会って1年やってこれたことが私にとって財産です』とか。僕は助けられてばかりなのにこんなに嬉しいことってそうないですよね」

──「第三章 嵐の前」の放送にあたって、ぜひ注目してほしいところを教えてください。

「個人的には、第一章、第二章からのラインハルトとキルヒアイスの関係の変化。それからオーベルシュタインが登場したことでラインハルトが徐々に変わっていくところも見ていただけたらと思います。今まで見せたことのない悪の道というか、残酷な顔も見せるので。作品としては、これまでは帝国と同盟がそれぞれの芝居をしていたんですが、今回、まだ直接対決ではないけれど水面下で戦いが始まってそれぞれの物語がつながりはじめるので、そこを楽しんでいただけたらと思います」

取材・文=臼井祥子 撮影=鷹野政起
ヘアメイク=野澤幸雄(studioAD)

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放送情報

舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These ~第三章 嵐の前~」
放送日時:2020年3月15日(日)15:45~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合がございます。

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