舞台『おおきく振りかぶって』のシリーズ3作品が、4月11日(土)衛星劇場にて放送される。2018年にスタートした舞台『おおきく振りかぶって』はこれまでに3作品を上演。今回、その全てで主人公である西浦高校野球部のエース・三橋廉を演じた西銘駿のインタビューが到着した。
――まずはこれまでの3作品を振り返っていただき、印象をお聞かせください。
「このシリーズは僕にとって初めての主演舞台でした。人気コミックが原作ということもあり、1作目のときはすごく不安で、みんなで"これでいいのかな?"と探り探り作っていたところがあったんです。でも回を重ねるごとに、どんどんみんなの意識も変わっていって。その姿が、劇中で描かれている新設野球部のチームとしての成長ともリンクして、今年上演した3作目の『秋の大会編』では完全にひとつのチームとなって取り組むまでになったんです。そうした過程も含め、本当にかけがえのない作品になっていまね」
――三橋は投手としての才能を持ちながらも、自分に自信のない気弱なエースです。西銘さんはこの役をどうとらえていらっしゃいましたか?
「最初はあまりにも僕と真逆すぎてびっくりしました(笑)。三橋はちょっとしたことで落ち込むし、そうかと思えばエースであることにすごい執着がある。僕は明るく、そのときそのときを楽しくすごせればいいやっていう性格なので、"どう演じたらいいんだろう?"とすごく悩んだんです。そんなとき、高校時代にまさに三橋そっくりな友人がいたのを思い出して。それで久々に再会し、彼からいろんな言動を盗ませてもらいました。そうした形で役を作っていったのは初めてだったので、すごく新鮮でしたね」
――今シリーズは3作すべて成井豊さんの脚本・演出です。稽古や本番を通して印象的だったことはありますか?
「成井さんはとても"声"を大切にされる方なんです。僕はそれまで映像のお仕事をメインにさせていただいていて、表情や体の動きを大事にしてたので、声に強く意識をもっていくという経験は初めてのことでした。ただ、そこで学べたことはとても多く、言葉の強弱やセリフの微妙なイントネーションなど、細かく指導していただいたので、すごく勉強になりましたね。また、ステージ全体の見え方にも絶対に妥協されない方で。セリフを話している人以外の役者たちのリアクションや表情にもしっかりと個性を付けていかれるんです。そのことで登場人物の1人1人が輝いて見えるし、物語にもテンポ感が生まれる。"こうした一体感の作り方もあるのか"とすごく驚きました」
――2月に公演を終えたばかりの最新作『秋の大会編』も放送されます。西銘さんが感じる見どころは?
「ひとつは西浦高校の野球部員たちの心の動き。これまでの2作品は三橋の成長物語としての要素が強かったのですが、『秋の大会編』ではチームとしての変化が強く描かれています。甲子園に向けての1人1人の気持ちであったり、チームメイト同士で切磋琢磨する姿が見られ、より群像劇としての面白さが出ていると思います。もうひとつは三橋がずっと憧れている武蔵野第一高校の投手・榛名君(神永圭佑)との対決。三橋とバッテリーを組む阿部君(大橋典之)は中学時代に榛名君との間に確執があり、阿部君は彼を見返したいと思っているんですね。そうしたバッテリーとしての戦い方や心情が見られるのも『秋の大会編』の魅力ですね。しかも三橋にも変化があり、どうしても榛名くんに勝ちたいという思いやチームを背負うことへの意識が強まっていく。僕も台本を読んで『う〜、三橋ぃ〜!』って感動したので(笑)、その成長した姿にもぜひ注目していただきたいです!」
――最後に、この『おおきく振りかぶって』の舞台は西銘さんにとってどのような作品になっていますか?
「舞台の大変さ、面白さ、達成感、終わったあとの寂しさなど、あらゆることを教えていただきました。正直にいうと1作目はプレッシャーだらけでした。でも、今はこんなにも多くの方に愛される作品になったんだという実感があります。また、素晴らしい原作への感謝の思いでいっぱいですし、自分の主演作が3作も続いたことで自信にもつながりました。僕の役者としての原点は『仮面ライダーゴースト』ですが、舞台の原点は間違いなくこの『おお振り』だと感じていますね」
取材・文=倉田モトキ 撮影=鷹野政起
ヘアメイク=牧野裕大(vierge) スタイリング=三宅 剛
放送情報
舞台「おおきく振りかぶって」(2018年公演)
放送日時:2020年4月11日(土)19:30~
舞台「おおきく振りかぶって 夏の大会編」
放送日時:2020年4月11日(土)22:00~
舞台「おおきく振りかぶって 秋の大会編」
放送日時:2020年4月12日(日)00:30~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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