窪田正孝と北村一輝のコミカルな凸凹コンビっぷりに続編を期待する声が続出。民間警備会社によるボディガードの最前線を描き話題となったNHK総合ドラマ「4号警備」(2017年)が、ホームドラマチャンネルにて放送される。4つに分類される警備業の中でも最もハードで身を呈して依頼者の生命を守らなくてはならない4号警備=身辺警備についた窪田×北村が難問を解決していくストーリー。
全7回のドラマには依頼人としてブラック企業の社長を演じる中山秀征、最後の夢を叶えようと市長選に立候補する伊藤蘭、夫のDVに苦悩する壇蜜、人身売買問題に関わる弁護士の塚本晋也など豪華ゲストが出演している。現代社会が抱える闇を浮き彫りにしながら、激しいアクションあり、笑いありで1話30分の中にディープな人間ドラマが詰め込まれた『4号警備』の魅力とは?
■窪田正孝演じる朝比奈のキレのあるアクションと闇を抱えた演技
窪田演じる朝比奈隼人は元警察官。ふだんは北村演じるバディの冴えない中年男・石丸を「シシマル」と呼び捨てにするなど、いまどきの生意気男子だが、依頼人を守る覚悟と情熱は、つねにビビり気味の石丸とは対照的だ。危機を瞬時に察知し、向こう見ずなやり方で爆弾を処理したり、刃物を持った犯人に素手で果敢に立ち向かうなど、窪田の身体能力にTwitterでも「アクションシーン最高!」、「アクションかっこよすぎ!」の声が相次いだ。
職場では明るく振舞っている朝比奈には警察官時代に恋人を凶悪なストーカー犯(賀来賢人)に殺され、大切な人の生命を救えなかったという過去があり、ボクシングジムに住み、やり場のない怒りや葛藤を抱えた自身とつねに戦う日々を過ごしている。ストーカーやDVを受ける依頼者の恐怖や悩みに耳を傾け、守れなかった自分を責め続けながら依頼者を命がけで守ろうとする複雑な役どころを見事に演じきる窪田が魅力的だ。
■北村(石丸)と窪田(朝比奈)の笑えるやりとりと友情も人気に
慎重派の石丸と怖いもの知らずの朝比奈は正反対な性格。シリアスな事件が起こるドラマの中で、ふたりのボケとツッコミのようなやりとりは癒されるシーン。
朝比奈が石丸の足をわざと踏んだり、小競り合いがたびたび勃発する。逃げ腰の石丸だが、彼もまた事業の失敗、離婚という辛い過去を抱えていて、夜ごはんのおかずがちくわだけというシーンも視聴者の間で話題になった。警備会社の警備部長(片岡鶴太郎)に「どうして身辺警護は2人で1人の人間を守るのか考えたことはあるのか?」と問われる場面もドラマの肝。バトルシーンで憎しみが暴走し、一線を超えてしまいそうになる朝比奈の心情を理解し、ストッパー役となって戦う石丸とのコンビネーションはときに喧嘩をしながらも回を重ねるごとに最強になっていく。
ちなみに現在、窪田正孝はNHK連続テレビ小説「エール」に主演(作曲家・古山裕一役)。北山一輝もNHK連続テレビ小説「スカーレット」で昭和の猛烈オヤジ役を演じるなど、偶然にも2人とも朝ドラ俳優としても知名度アップ。そんな両者がタッグを組んだ「4号警備」をこの機会に楽しみたい。
文=山本弘子
放送情報
4号警備
放送日時:2020年5月1日(金)3:00~
チャンネル:ホームドラマチャンネル 韓流・時代劇・国内ドラマ
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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