佐藤二朗が監督作を語る「誰もやっていないことに挑戦するのも大事でしょう?」

どんな作品でも強烈な個性を発する、唯一無二の演技で人気の佐藤二朗。映画監督としての顔も持つ彼の最新作「はるヲうるひと」の公開を記念し、日本映画専門チャンネルで、出演作「50回目のファーストキス」と、監督第1作「memo」を放送する。

佐藤二朗の初監督作「memo」より

「『50回目〜』もそうですが、ありがたいことに佐藤二朗=コメディー、というイメージが定着しているようです。何よりそれは『50回目〜』の監督にして盟友の、福田雄一のおかげ。今でも、若い人に声を掛けられる時は福田監督のドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ('11〜'16年)で僕が演じていた『"仏"ですよね?』っていうのが多いですし(笑)。いや、仏は電車乗ってないよ、コンビニで週刊誌買わないよって話なんですけど。でも僕としては以前から、コメディーと同じくらいシリアスもやりたいって思いが強くあったので、そういうイメージがついてくれたおかげで、次はシリアスだぞ、という気持ちに自然となっていきました。今回『はるヲうるひと』で主演を務めてくれた山田孝之。僕は彼を日本一の役者だと思っていますが、彼と初めてガッツリ絡んだのも"ヨシヒコ"だったし、彼が出演を快諾してくれたのは『50回目〜』のロケ先・ハワイでのことだったし、ある意味、福田がいなければ『はるヲ〜』は実現しなかったかもしれないですね」

「50回目のファーストキス」より

その「はるヲうるひと」では、離島で 置屋を営む兄弟(佐藤・山田)とその妹(仲里依紗)が、心の傷を抱えながら生きる様をヒリヒリと、時に笑いを交えて描く。佐藤に明るいイメージを抱く人は、いい意味で裏切られるであろう快作だ。

「孝之が主演で、僕が監督で..."コメディーだったら制作費を出せるんだけど"と渋る方が大勢いました。皆さんの気持ちも分かるけど、過去のデータに頼るだけでなく、誰もやっていないことに挑戦することも大事でしょう?結局は俳優陣・スタッフ含め関係者のみんなが、僕自身が驚くほど脚本や作品に肩入れしてくれた。本当にみんなが作品に賭けて邁進した撮影期間でした。この感触をまた味わいたいので、今後も監督を続けたいですね」

さとう・じろう●'69年5月7日生まれ、愛知県出身。主宰の演劇ユニット「ちからわざ」 では出演のほか脚本も手掛ける。「幼獣マメシバ」('09年) や、福田雄一監督作「大洗にも星はふるなり」('09年)「斉木楠雄のΨ難」('17年)などへの出演で知られる。

撮影=大川晋児 取材・文=magbug
スタイリスト=鬼塚美代子(アンジュ) ヘアメーク=今野亜季(A.m Lab)

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出演情報

<映画情報>
はるヲうるひと
原作・脚本・監督:佐藤二朗
出演:山田孝之、仲里依紗、向井理、坂井真紀、佐藤二朗ほか
近日公開

<放送情報>
50回目のファーストキス
放送日時:2020年5月10日(日)21:00~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
memo
放送日時:2020年5月10日(日)23:45~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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