新垣結衣が「けもなれ」で見せる「逃げ恥」とは違う笑顔と生きづらさ

新垣結衣と松田龍平のW主演、野木亜紀子の脚本で注目を浴びた2018年放送のドラマ「獣になれない私たち」(以下、「けもなれ」)。本作が8月16日(日)にファミリー劇場で一挙放送される。新垣と脚本の野木は2016年の大ヒットドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」(以下、「逃げ恥」)でタッグを組んだ間柄だ。「逃げ恥」で新垣は相手役の星野源とともに、ムズキュンな恋物語をキュートな笑顔で演じきった。

あらためて言うまでもなく、「けもなれ」でも新垣結衣の笑顔はかわいい。しかし、作中で展開されるのは「逃げ恥」のキュートな味わいとは違う、ほろ苦さのようなものも感じさせる物語。両作ともラブコメっぽい味付けではあるが、「逃げ恥」が甘いスイーツや飲みやすいカクテルだとしたら、「けもなれ」が感じさせるのは苦み走ったブラックコーヒーやクセの強いクラフトビールのような後味といえるだろう。

「けもなれ」で新垣が演じている晶は、ECサイト制作会社の営業アシスタントとして働く女性。職場では無理難題や面倒事を頼まれる損な役回りで、私生活でも一向に進まない恋人・京谷(田中圭)との結婚話に、もやもやしたものを感じながら日々を過ごしている。仕事でも恋愛でも疲弊しつつある晶は、それでも常に笑顔でいようという気遣いを忘れないが、それこそが晶に"生きづらさ"という十字架を背負わせているかのように見える。

(C)NTV

晶の笑顔の裏にある"生きづらさ"を見抜くのは、行きつけのクラフトビールバー「5tap」で知り合った恒星(松田)だ。バーのマスター・斎藤(松尾貴史)の「あのコいいんだよね、いっつも輝くような笑顔して」という言葉に、「おキレイだけどウソっぽくない?あの完璧な笑顔がなんかキモい」と手厳しく返す恒星。そんな彼もまた、晶と同じように"生きづらさ"を抱えていることが次第に明かされていく。バーからの帰り道、疲れ切った晶に恒星が「バカになれたら楽なのにね」と声を掛ける場面、それは恒星が自分自身に向けた自虐とも取れるセリフだ。

新垣結衣の笑顔はいつだってかわいい。しかし、本作で新垣が演じた晶が浮かべる笑顔は、やはりどこかほろ苦い。上司からパワハラじみた形で仕事を押し付けられ、結婚したいようなしたくないような気分を抱えて、満足していないのにそれでも今日も明日も同じように過ぎていく日々。ドラマの中の晶が過ごす毎日は、現実を生きる私たちにとっても、いつかどこかで見たことがある光景なのかもしれない。「けもなれ」は、女優・新垣結衣の笑顔という優しいベールに包んで、私たちの"生きづらさ"をドラマの中で突き付けている。

文=editaholic

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放送情報

獣になれない私たち
放送日時:2020年8月16日(日)12:30~
チャンネル:ファミリー劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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