北乃きいと岡田将生のW主演映画『ハルフウェイ』(2009年公開)が衛星劇場にて放送される。甘酸っぱくてちょっぴりノスタルジックなラブストーリーに、心臓が痛くなるような恋の体験を重ねずにはいられない本作。監督したのは、大ヒットしたTVドラマ「ロングバケーション」や「愛していると言ってくれ」、朝ドラ「半分、青い。」の脚本を手がけた北川悦吏子。映画『スワロウテイル』などでおなじみの岩井俊二、小林武史のコンビがプロデュースしたことでも話題となった。
ちなみに撮影当時、北乃きいは16歳で岡田将生は18歳だったという。高校生の恋愛をリアルに描くため、台詞はほとんどアドリブ。溝端淳平、仲里依紗、成宮寛貴、白石美帆、大沢たかおと脇を固めるキャストも豪華なこの映画の魅力とは?
■北乃きいと岡田将生が揺れる青い季節を浮かびあがらせる
北乃きい演じるヒロは、岡田将生演じるシュウにハイタッチされるだけでめまいがして保健室行きになるほど片思い。そんなヒロの背中を押す友人を演じているのが仲里依紗で、シュウの友人で2人の恋に協力するのが溝端淳平だ。
あるハプニングがきっかけで2人は付き合うことになるが、シュウが地元の大学ではなく東京の早稲田大学を受験しようとしていることを知ったヒロはショックを受け、シュウを問い詰める。寂しさとお互いの進路を思いやる気持ちとの狭間で揺れまくる不器用な季節が鮮やかに描かれている。
北海道小樽の大自然の中ヒロとシュウが自転車でじゃれあいながら走るシーンや、学校のグラウンドで衝動をぶつけるシーンなど、雄大な風景も素晴らしい演出となっている。
■映画のタイトルの意味も青春そのもの?
ヒロとシュウの初々しいカップルの相談役になるのが2人の先生だ。シュウは成宮演じる担任に進路と恋愛のことを相談し、まだ決めるのは早いとたしなめられる。ヒロは大沢演じる書道の先生に友達の恋愛相談のていでアドバイスを求め、「東京は怖い。渋谷には魔物が棲んでいる」とユーモアたっぷりに脅されながら、好きな人への今の本当の気持ちを書いてみろと半紙と筆を渡される。
映画の後半にはタイトルがなぜ「ハルフウェイ」なのか明かされることになるが、そのエピソードも含め、最初から最後まで2度と戻らないピュアな季節にフォーカスしているのが本作の最大の魅力かもしれない。
文=山本弘子
放送情報
ハルフウェイ
放送日時:2020年10月2日(金)18:30~
チャンネル:衛星劇場
※放送スケジュールは変更になる場合があります
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