セリフほぼなしでも抜群の存在感!成田凌の色気を秘めた視線に酔う

今年は出演映画が5本を数え、主演の大倉忠義と男性同士のラブストーリーに挑んだ映画『窮鼠はチーズの夢を見る』が公開中の成田凌。成田は本作で大学時代の先輩・恭一(大倉)に想いを寄せる今ヶ瀬を熱演。恭一と7年越しの再会を果たした今ヶ瀬の、抑えられない一途な愛、嫉妬、執着といった感情を"眼差しで魅せる演技"で表現し話題を呼んでいる。今後も2020年度後期のNHK連続テレビ小説「おちょやん」や映画『まともじゃないのは君も一緒』などの放送&公開を控え、まさに今、作品ラッシュを迎えている俳優だ。

もともとは男性ファッション誌「MEN'S NON-NO」のモデルとしてキャリアをスタートさせた成田。当時からすでに俳優を志しており、2014年のドラマ「FLASHBACK」で俳優デビューを果たすと、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(2018年)や『翔んで埼玉』(2019年)、『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』(2020年)など話題作に次々出演してきた。

観客の心を鷲掴みにした主演映画『カツベン!』(2019年)から、坊主頭の少年に息を吹き込んだ劇場版アニメ『天気の子』(2019年)のようにエンドロールで名前を見なければ気が付かない作品まで、成田の演技は変幻自在。そんな中でも一見"何を考えているのか分からない"ダメな男を演じる成田に一番の魅力を感じるのは筆者だけではないはずだ。

「チワワちゃん」に出演した成田凌

『愛がなんだ』(2019年)では、28歳のOL・テルコ(岸井ゆきの)を都合よく振り回しつつ、自身は個性的な年上の女性・すみれ(江口のりこ)に想いを寄せるマモルを演じた成田。一般的に見たらマモルは女の敵のようなヤツなのに、時折見せる愛嬌がスパイスのように効いて憎むに憎めない。ヒロインもろとも観客までも翻弄されてしまう。

また劇中でほぼセリフが無いにも関わらず、強烈な存在感を示したのが2019年公開の映画『チワワちゃん』。本作が10月に日本映画専門チャンネルで放送される。原作は岡崎京子の同名コミックで、東京湾でバラバラ殺人事件の被害者として発見された人気モデル"チワワちゃん"(吉田志織)を偲ぶために集まった仲間たちが、彼女の人物像を追いながら成長していく青春群像劇だ。

成田が演じたのは金髪に髭面のプレイボーイでチワワちゃんの元カレ・ヨシダ。ある一言を除き、ほとんどしゃべることは無いのだが、これは成田が「ヨシダのセリフを全部削りたい」と監督に提案したから叶ったもののようだ。あえてセリフ無しで演じられるヨシダは、感情を全て視線と行動で示していく。チワワちゃんに対する愛情も嫉妬も、キスや破壊という感情が赴くままの行為で表現されるのだ。

端正な顔立ちから放たれる冷ややかな視線が語るヨシダという人物は、浅はかで憎らしくもあるが、最後までどこか謎が残り、目で追わずにはいられない。言葉がなくとも物語のキーマンとして成立させたのは、成田の"眼差しで魅せる演技"があったからだろう。

男性も女性も惹きつける甘えた瞳に、若さゆえの行き所の無い不満を感じさせる視線...。キャラクターの細部まで表現する成田の眼差しは人間的な色気を秘めている気がする。今後はどんな成田のハマり役が見られるのか、楽しみである。

文=津金美雪

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放送情報

チワワちゃん<R-15>
放送日時:2020年10月3日(土)23:00~
チャンネル:日本映画専門チャンネル
※放送スケジュールは変更になる場合があります

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